企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館

企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館

名称:企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館
開催期間:令和3年7月3日~9月20日
休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)祝日の翌日
時間:午前9時から午後5時 
住所:〒943-0835新潟県上越市本城町7-1
TEL:025-523-8680
URL:小林古径記念美術館

企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館
企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館

今年生誕90年を迎える上越市出身の彫刻家・岩野勇三(1931年~1987年)の芸術を回顧する展覧会を開催いたします。

 岩野は幼いころから絵を描くことが好きで、県立高田中学校(現・高田高等学校)在学時代は油絵に熱中していました。卒業後は画家を志して上京し、姉の学校の美術教員だった彫刻家・佐藤忠良(ちゅうりょう)に師事します。やがて彫刻家を志すようになり、1955年(昭和30年)、24歳の時に出品した第19回新制作協会展で初入選を果たしました。
 こうして彫刻家への一歩を踏み出した岩野は、その後、東京造形大学で教鞭をとりながら制作に励み、1980年(昭和55年)に高村光太郎大賞展で優秀賞、1986年(昭和61年)に中原悌二郎賞を受賞するなど、写実を基本としながらモデルの内面性を表現した作風で現代彫刻の一翼を担うこととなりました。
 しかし、1987年(昭和62年)、岩野は56歳の若さで生涯を閉じます。最期まで人間を見つめ、発見と感動を求め続けた彫刻家人生でした。
 1991年(平成3年)秋、故郷・上越市の高田城址公園内に「岩野勇三ブロンズコーナー」として岩野のブロンズ10点が設置され、永く上越市民に親しまれています。この展覧会では彫刻家・岩野勇三の初期から晩年までの作品を展示し、その生涯をたどるとともに、岩野の作品世界を紹介します。

第1章 彫刻家への道 1955年(昭和30年)~

 上越市寺町に生まれた岩野勇三は画家を志して上京します。佐藤忠良に師事した岩野は、やがて彫刻家に転向し、徐々にその作品が評価されていきました。初期の作品は、家族や友人をモデルにした具象的な人体像が多くみられます。ここでは、身近な人々に目を向けた岩野の温かなまなざしが感じられる初期の作品の数々をご紹介します。

企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館
企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館

第2章 自然をみつめて 1967年(昭和42年)~

 岩野は「誰もが感じている自然というもののなかの、よりすばらしいものを探し出さなければならない」と語っています。自分の眼と手を使って自然をつかみ取り、内面がにじみ出るような実在感と量感をもった作品を生み出していきます。30~40代の岩野は、市井に生きる人々の姿に目を向け、故郷・新潟に生きる人を題材とした民俗的主題の作品にも取り組んでいます。これらの作品は簡潔なフォルムの中に詩情をたたえ、岩野の作品世界を彩っています。

企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館
企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館

第3章 裸像の美 1980年(昭和55年)~

 1971年(昭和46年)の渡欧を機に、岩野は「裸像」と真摯に向き合い始めます。それは、西洋彫刻の模倣に終始してきた日本の近代彫刻と向き合う仕事でもありました。充実した50代の裸像作品では、写実を基本としながら理想に傾くことなく、「人間」そのものの神秘や美しさを表そうとしています。岩野の努力はまもなく実りを結び、1980年(昭和55年)に高村光太郎大賞展(後にロダン大賞展に改称)で優秀賞、1986年(昭和61年)に中原悌二郎賞を受賞するなど、輝かしい業績を残しています。

企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館
企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館

第4章 岩野勇三ブロンズコーナー 

 1991年(平成3年)秋、上越市の高田城址公園内に「岩野勇三ブロンズコーナー」として岩野のブロンズ作品10点が設置され、今も故郷の豊かな自然の中で輝きを放っています。ぜひこの機会に、これらの屋外彫刻にも目を向けてみてください。

企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展 人間へのまなざし」小林古径記念美術館
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