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ヴァジュラーヴアリー四曼荼羅とは 編集 コメント書込み(0)

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ヴァジュラーヴアリー四曼荼羅
ヴァジュラーヴアリー四曼荼羅とはヴァジュラーヴアリー四曼荼羅とは
チベット中央部、おそらくツァン地方

1390年代頃
綿布着色
89×73.7cm
ツィンマーマン・ファミリー・コレクション
上端左の銘文からこのタンカは、チベット・テンギュル経典の主要なテキストである「ヴァジュラーヴァリー」の14番目の絵画に比定される。下端に、銘文が三か所あり、これらのうち左から二つは真言である。中央の銘文には「聖なる偉大なラマ、ササン・パクパの心の意図が満ち足らんことを」とある。右の銘文は「僧クンガ・サンポを讃える」と読める。このヴァジュラーヴァリーの連作は、大学者ササン・パクパの死後、僧クンガ・サンポによって寄進されたものであることがわかる。ササン・パクパはサキャ派のラマで、詩作の著作や若き日のツォンカパの詩作についての師であったことで有名である。彼は1380年代に没したので、この一連のタンカは、14世紀末の作として間違いないであろう。このうちの二つは現在ツィンマーマン・ファミリー・コレクションにある。この時期の作例が非常に少ないことを考えると、この優品は特に卓越した重要性を帯びている。
 この細部まで緻密で鮮やかな曼荼羅は、四つの別々の曼荼羅を結合させるという独特な構成で描かれる。四つの曼荼羅のそれぞれには特有の女尊があり、すべての曼荼羅が五女尊、パンチャラクシャーを取り囲むようにある。ダラムサーラのナムギャル寺の曼荼羅制作の専門家ロサン・チュギェン尊者の助力によって、この作品の曼荼羅がチャンキャ派フトゥクトゥ(活仏)・ガワン・チュンデンによって書かれた儀軌に基づくものと比定できた。
 上左が五女尊パンチャラクシャーの曼荼羅で、マハープラティサラー十三尊曼荼羅として知られる。パンチャラクシャー女尊は、病気や不運、災難除けの神として人気が高い。曼荼羅の中央には、十二臂の金色の女尊マハープラティサラーがいる。他の四女尊はそれぞれ青、赤、緑、白色で、主尊の周りの四方を囲む。さらに隅に四尊あり門のところに四尊あり、合計で十三尊となる。この曼荼羅はヴァジュラーヴァリーのテキストに含まれる四つの内のひとつにすぎない。他の三つはこの絵の中に含まれており、ヴァジュラーヴァリーを観想する灌頂を許可することに関連するものである。チャンキャ派フトゥクトゥの儀軌によれば、ダルパナ・アーチャールヤのクリヤーサムッチャヤの一具に含まれる灌頂のための一具から引かれている。
 右上の曼荼羅は、六臂の財宝女神であるヴァスダラを描く。ヴァスダラは、財宝と繁栄の神々十八尊を伴う。右下の曼荼羅は、三面八臂の白色の仏頂尊勝母が、蓮華の中にいる仏陀に由来する仏頂尊八尊と、蓮の外にいる16の空に由来する十六尊と、門のところにいる仏頂女尊の八尊と、四隅にいる4体の長寿女尊とに囲まれる。すべての曼荼羅が長寿と関連づけられる。
 左下の曼荼羅は、バガヴァティー・マハーヴィドヤーの曼荼羅である。主尊は白色二臂で曼荼羅の北東の端に座る(右上)。中央には九尊の星宿がおり、それはインドの天文学における太陽、月、黄道と白道の交点を含む七星に関連づけられる。二臂赤色の太陽神スーリヤが中央にあり、月、水星、火星、土星、金星、羅睺星、木星、計都星が、時計回りの順で八葉の蓮弁の上にスーリヤを囲むように配される。下端には、夜叉が4体いる。右上が星母マハーヴィドヤーである。右下には七星の変体がある。四つの門には、四方を守護する四天王がある。この曼荼羅全体が、悪い星の影響から修法者を保護することと関連がある。  中央の四つの曼荼羅の周囲隙間の部分に、五女尊パンチャラクシャーが上下左右の四方と中心部に十文字に配され、別の曼荼羅を形成している。これらの尊像は、銘記によって尊名が比定できる。
1)マハーサハスラプラマルダニー(下方東、青色)、2)マハーマーユーリー(左方南、黄色)、3)マハーマントラウサリニ(上方西、赤色)、4)マハーシタ-ヴァティー(右方北、緑色)、5)マハープラティサラー(中央、白色)である。これらの女尊の周囲やタンカの四隅には、合計35体の如来形の尊像があらわされる。画面下端の右端にある二つの銘文に記されるとおり、これらは三十五懺悔仏である。
 画面上端部には、龕形の中に16体の仏形坐像があり、完璧な精度で、描画や銘記がなされている。完全に対照的な画面構成で、下端にも一列に16体の坐像があらわされる。仏教に帰依した諸神(天部)があらわされる。題記から比定すると左から順に、インドラ(帝釈天)、ガルーダ(金翅烏)、アグニ(火天)、ヤマ(夜摩天)、ヤクシャ(夜叉天)、ヴァルナ(水天)、ヴァーユ(風天)、クベーラ(多聞天)、ガネーシャ(歓喜天)、シヴァ(大自在天)、スーリヤ(日天)、チャンドラ(月天)、ブラフマン(梵天)、ヴェーマチトラ、プリティヴィーデーヴィー(地天)となる。最後の一人は、その上の題記に、ゲロン・クンガ・サンポ・ラ・ジンジラ・ササンとあり、寄進者のラマ、クンガ・サンポに比定される。
 きわめて強い形式化の傾向としては、形態の堅い表現と、宝石のように激しい色調があげられる。これは、14世紀の作とされるより柔らかく単純な赤色ヤーマリ曼荼羅の特徴とは異なる。明らかに14世紀末期にはサキャ派の中に、2種類の異なった画派があったことを示している。このヴァジュラーヴァリー曼荼羅にみられる画派は、ネパールで14-15世紀に流行する流派と関連づけられる。この作例は、たくさんあり、もっとも優れたものはロサンゼルス・カウンティ美術館にある。出所:天空の秘宝チベット密教美術展

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