「芸術家のもう一つの顔」町立久万美術館

「芸術家のもう一つの顔」町立久万美術館

名称:「芸術家のもう一つの顔」町立久万美術館
会期:2020年12月15日(火)~2021年4月11日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし1月11日は開館)、1月12日、2月12日、2月24日、年末年始(12月28~31日、1月2・3日)。
入館は16時30分まで。3月20日・4月10日14時~学芸員解説あり。
住所:〒791-1205愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生2番耕地1442-7
TEL:0892-21-2881
URL:町立久万美術館
 芸術家は洋画家や日本画家、陶芸家などと呼ばれます。油絵具とキャンバス、岩絵具と和紙、呉須と陶磁器といった技法などが異なるだけで、自身の芸術の道を邁進していく上では、それらの分野の区分はさほど重要なことではないのかもしれません。
 日本画家・石井南放が1950年代に制作した《樹》シリーズは、その時代に流行した抽象絵画を岩絵具で実践したような作風です。
 逆に、技法的な面で日本画の要素を加味した洋画作品の制作に勤しんだ洋画家たちもいます。萬鉄五郎は《風景・モノクローム》において、油絵具の黒色のみを用いて、墨画のような油彩画を描き残しました。古茂田公雄《面河渓》は、油絵具の油分を新聞紙でふき取り、岩絵具のような質感をもつ油彩画を手がけました。これらの背景には、日本人として、独自性を追求した痕跡が見て取れます。
 ここ愛媛では多くの文人墨客、画家が陶磁器に絵付をして、作品を残しました。山本鼎は来松した際、越智恒孝らの手引で、江山焼に絵付を施しました。愛媛の芸術家らによる「芸術のお接待」。自県の伝統文化を享受してもらおうとする姿が見て取れます。愛媛を舞台としたコニュニティー文化の一端とも言えるでしょう。

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