「Teamlab: Tea Time in the Soy Sauce Storehouse」福岡醤油ギャラリー

「Teamlab: Tea Time in the Soy Sauce Storehouse」福岡醤油ギャラリー

名称:「Teamlab: Tea Time in the Soy Sauce Storehouse」福岡醤油ギャラリー
開催期間:2021 年4 月15 日(木)~ 2022 年3 月31 日(木)
時間:10:00 – 17:00(最終入場 16:30)
休館日:毎週水曜日
入場料:1000 円(税込)※EN TEA のお茶(一杯)が含まれています。

主催:公益財団法人 石川文化振興財団、チームラボ
住所:〒700-0817 岡山県岡山市北区弓之町17-35
URL:福岡醤油ギャラリー
 旧福岡醤油建物は、明治時代(1868 – 1912)に建てられ、かつては醤油製造に使われていた。当時は漆黒の液体が貯蔵されていたであろう地下は、同じように黒い液体に満たされ、四方に無限に広がる茶室となり、茶の時間が続いていく。
一服の茶を点てると、茶は光を灯し、近くの光のリズムと引き込み現象を起こしていく。
 引き込み現象とは、異なるリズムが互いに影響を受けてそろっていくこと。壁に掛かった二つの振り子時計の振り子、ホタルの集団発光、心臓細胞の律動など、物理現象、神経生理、生命系や生態系など多様な系で見られる。個々が全体を俯瞰する能力を持たないにも関わらず、個々の自律的な振る舞いの結果として、秩序を持つ大きな構造を作り出す現象である自己組織化であり、自発的秩序形成とも言える。
 一方、本来宇宙では、エントロピー(無秩序の度合いを表す物理量)が極大化に向かうとされ(エントロピー増大の法則)、形あるものは崩れていくのが摂理だ。しかし、それでもこの宇宙や生命、自然や社会が成り立っているのは、無秩序に向かう中で、自己組織化という共通の現象によって、ひとりでに秩序が生まれているからかもしれないのだ。
 「茶の本」(1906)の著者である岡倉天心(1863 – 1913)は最期の手紙の中で、「私は宇宙と全くうまくやっており、宇宙からこの頃与えられるものに対して感謝、そう大変感謝しております。」と語っている。茶とは、「自他一体の境地」「人間と自然との究極的な合一」を目指した時間だったのかもしれない。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「オダイバ恐竜博覧会2024」フジテレビ本社屋
  2. 「カイつまんで、ヒモときます。 ~しな水の貝展~」しながわ水族館
  3. 小林かいち《二号街の女》
ページ上部へ戻る