「さまざまな線、宇宙のぜんぶ―草間彌生、プラバヴァティ・メッパイル、ツァイ・チャウエイ(蔡佳葳)」森美術館
名称:「さまざまな線、宇宙のぜんぶ―草間彌生、プラバヴァティ・メッパイル、ツァイ・チャウエイ(蔡佳葳)」森美術館
開催期間:2021.4.22(木)~ 9.26(日)
休館日:会期中無休
開館時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
主催:森美術館
企画:熊倉晴子(森美術館アシスタント・キュレーター)
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
「MAMコレクション013」では、アジアの異なる3つの都市で生まれ活動する3人のアーティスト、草間彌生(日本)、プラバヴァティ・メッパイル(インド)、ツァイ・チャウエイ(蔡佳葳)(台湾)の作品を紹介します。本展にて展示される作品は、どれも線を用いて表現されていますが、線を引くという行為は、何もないところに新しいものを造り出したり、何かを指し示したり、とらえどころのないものに形を与えたり、混然一体となったものを分類したりすることができるものです。それは人間が何かを考え、表現する、物やアイデアを生み出すための最も根源的な行為だといえるでしょう。
《インフィニティ・ネット》(2007年)は、草間の代表的なシリーズのひとつです。線が結びつき網となり、画面いっぱいに広がる様子は、草間の強迫観念を思わせると同時に、タイトルのとおり永遠も示唆しています。一方、メッパイルの作品は陶器のような質感のキャンバスに繊細な線画が金で描かれますが、金もまた、純粋性、富や力、そして永続するものの象徴として用いられてきました。ツァイの《円Ⅱ》(2011年)は、氷の上に墨で描かれた円が徐々に消えていく映像作品です。円を一筆で書いた円相は、真理や宇宙全体を表すとされていますが、墨が徐々に水に溶け、消えゆく様子は、移ろいゆくものの美しさや無常観も感じさせます。
3作家の作品に用いられている線は、その表情、技法、素材は様々ですが、どれも宇宙や精神世界などを思わせるものです。線を引くという一見とてもシンプルで、しかし根源的な行為が、私たちの思考をさらに開かれたものへと導いてくれるに違いありません。
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