特別陳列 布施美術館名品展11「吉祥と花鳥~鉄斎・大雅・玉堂・木米~」高月観音の里歴史民俗資料館

特別陳列 布施美術館名品展11「吉祥と花鳥~鉄斎・大雅・玉堂・木米~」高月観音の里歴史民俗資料館

名称:特別陳列 布施美術館名品展11「吉祥と花鳥~鉄斎・大雅・玉堂・木米~」高月観音の里歴史民俗資料館
会期:令和3年3月10日(水)-5月10日(月)
開館時間:午前9時-午後5時(入館受付時間は午後4時30分まで)
休館日:3月21日、4月30日、5月6日
主催;高月観音の里歴史民俗資料館
協力:一般財団法人 布施美術館
〒529-0233滋賀県長浜市高月町渡岸寺229
TEL:0749-85-2273
URL:高月観音の里歴史民俗資料館
 長浜市高月町唐川に建つ布施美術館(非公開)は、当地出身の医師・布施巻太郎(ふせまきたろう)(1881-1970)が収集した富岡鉄斎(とみおかてっさい)(1836-1924)をはじめとする文人画、経典や古文書、医学・薬学関係資料など数多くの貴重なコレクションを収蔵する美術館です。
 初代館長である布施巻太郎の「自ら収集したコレクションを、国民の文化遺産として永く後世に残したい、広く社会教育に活用したい」という美術館の創設理念を受け継ぎ、高月観音の里歴史民俗資料館では毎年、布施美術館のすぐれた所蔵資料を特別公開しています。
 今回は所蔵品の中から、吉祥(きっしょう)と花鳥をテーマとした画人・工人たちの作品に焦点をあてます。吉祥とは、めでたいきざし、良い前兆、祝いの儀式や祝意を表す画題を示します。また花鳥は、草花や鳥類をテーマにしたもので、草花を通して四季を楽しみ、鳥を通して自然に思いをはせ、自由で風雅な心に浸ることです。 コロナ禍等で明るいニュースの少ない昨今ですが、先人の遺した優れた吉祥画や花鳥図と、布施巻太郎の心にふれ、郷土文化としての布施コレクションの価値を再発見してください。

富岡鉄斎(とみおかてっさい)(1836-1924)
京都三条衣棚(京都市)の出身。大角南耕と窪田雪鷹に画の手ほどきを受け、国学を野之口隆正、漢学を岩垣月洲に学んだ。また陽明学を春日潜庵、仏教と詩文を僧羅渓慈本に学んだ。宇喜多一蕙・小田海僊に大和絵と南画を学び、いろいろな画家から画法を貪欲に吸収したとされる。若い頃から勤皇思想を抱き、倒幕の志士らと交わった。
 維新後は、湊川神社・石上神社の神官、大鳥神社の大宮司を勤めた。明治14年(1881)、職を辞して読書と作画に専念することになった。鉄斎は、北宋の蘇東坡(そとうば)に強く共鳴し、詩文伝記から数多く取材している。「万巻の書を読み万里の道を行く」という文人画家の理想を、鉄斎は身をもって実践した。 
鉄斎は、文人画が最後の輝きを放った明治・大正期に多くの名作を生みだし、文人としての生き方を理想としたことから、最後の文人画家と呼ばれている。鉄斎は、大正13年(1924)89歳で亡くなる直前まで作品制作を続けた。生涯で、その制作数は1万点以上にのぼるといわれている。

池大雅(いけのたいが)(1723-76)
江戸時代中期の画家・書家。障壁画から書巻に至るまで、多数の作品を残した。作画法は、指頭画(しとうが)・金碧画(こんぺきが)・たらし込みなどの多彩な手法を用いた。画は土佐光芳に師事したと伝わり、南画は柳沢淇園と祇園南海から教えを受けた。
 また、富士登山、白山・立山にも登り、奥州・金沢など各地を旅行してスケッチを行い、独自の南画の様式を作りあげた。
 今年の、NHK新春テレビドラマ「ライジング若冲 天才かく覚醒せり」では、池大雅も話題となった。
※作品名「王義之図」であるが、歴史上の人物名は「王羲之」である。

浦上玉堂(うらかみぎょくどう)(1745-1820)
江戸時代後期の画家。鴨方藩(岡山新田藩)に仕え、陽明学系統の儒学を学び、詩文に長じ、琴を得意とし、画は独学で南画を学んだ。作品は、多くが水墨画であり、作風は、南画独特の空想的な山の突起を独特の筆致で積み重ねるものとなっている。

青木木米(あおきもくべい)(1767-1833)
青木木米(あおきもくべい)(1767-1833)は江戸時代後期の京窯(きょうがま)の名工。陶工宝山に陶器を学び、磁器を奥田穎川(おくだえいせん)に学んだと伝えられる。陶技が円熟すると、和歌山藩、金沢藩から招聘を受け指導した。また、粟田御所・青蓮院の御用窯も担当した。技法は多岐で、中国陶器・高麗・李朝の朝鮮陶器の模造、中国明代染付・青磁、朝鮮の雲鶴三島手・象嵌のほか、仁清写・南蛮写など幅が広い。永楽保全(えいらくほぜん)、仁阿弥道八(にんあみどうはち)とともに、京焼の幕末三名人と称された。

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