「project N 82 松田麗香 MATSUDA Reika」東京オペラシティ アートギャラリー

「project N 82 松田麗香 MATSUDA Reika」東京オペラシティ アートギャラリー

名称:「project N 82 松田麗香 MATSUDA Reika」東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2021.4.17[土] ─ 6.20[日]
開館時間:11:00 ─ 19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日、(5月3日は閉館)
入場料:ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展「ストーリーはいつも不完全……/色を想像する」の入場料に含まれます。
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
住所:〒163-1403東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL:03-5777-8600
URL:東京オペラシティ アートギャラリー

連環する世界 ── 松田麗香の絵画

一見、部分的にグラデーションのあるモノクロームの画面のように見える。ほとんど同じ色に見えても明暗や色調が微妙に異なる垂直方向のラインがある。色層が幾層にも積み重なることで、画面にはどこかしら荘厳な雰囲気と静謐な佇まいを帯びているのがわかる。

色彩について言えば、暖色系、寒色系いずれのものも存在する。明度の高いピンクやイエローのものもあれば、滋味のある落ち着いた濃緑や紺色のものもある。もっとも、明るい色彩がもちいられた作品でもけっして派手という印象はなく、また、逆に抑制の効いた地味な色合いの作品でも、だからと言って陰鬱な印象を受けることはない。色彩にはかなり幅があるものの、作品が醸し出す雰囲気や気配はいずれもどこか神秘的で、神々しくさえ感じられる。

初期にはモノクロームに限らず、赤、緑、青など、全く異なる色が同一画面にもちいられ、それらが層をなすようにして画面が構成される作品も少なくなかった。最近の作品では、一つの作品にもちいられる色数はかなり限定されている。

画面から感得される一種の荘厳さはむやみに画面に近づくことを躊躇わせるようなところすらあるが、あえて近づいて仔細に画面を眺めると、たんに同系色で塗り重ねられたように見える画面は、おびただしい数の円環(リング)を描き連ねることで成り立っているのがわかる。実際、その制作方法はいたってシンプルかつ規則的で、円環を画面の上から下に丹念に根気強く描き続けるのだという。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「冬のけしき」夢二生家記念館・少年山荘
  2. 「動き出す浮世絵展 TOKYO」寺田倉庫G1
  3. 特別展「答志島~古代から続く海民たちの島」鳥羽市立海の博物館
ページ上部へ戻る