名称:「シリアと周辺国の衣装」岩立フォークテキスタイルミュージアム
会期:2021年4月1日(木)- 7月10日(土)
会期中の木−土曜の10時-17時開館
住所:〒152-0035東京都目黒区自由が丘1-25-13 岩立ビル3F
TEL:03-3724-5407
URL:岩立フォークテキスタイルミュージアム
シリアを横断するメソポタミア文明を育んだユーフラテス川流域は、数々の古代文明が築かれました。その遺跡群が象徴するように古くから東西交通の要衝として栄え、染織の往来も盛んに行われていました。現在でも知られる「ダマスク織」の名からも、その長い歴史と、巧みな技術がうかがえます。
北にトルコ、東にイラク、南にヨルダン、南西側にレバノン、イスラエルとパレスチナ自治区、更に西部は地中海に面した国、シリア。この周辺国を含む西アジアの地域一帯は、砂漠や草原、高原、丘陵からなる極めて乾燥した気候です。この気候風土が文化の基層となって、人口の大多数を占めるイスラーム教徒の民族性とともに独自の染織品が作られました。
しかし、残念ながら2011年より長らく紛争下にあるシリアを取り巻く状況は、21世紀最大の人道危機ともいわれています。未だ出口の見えない戦禍の現実からは、これらの美しい手仕事を想起することすら難しい状況です。それでも、彼の地の人々が大地と共に暮らし、脈々と受け継いできた証が、今展に並べられる染織品です。手仕事の持つ普遍性に平和の願いを込めて。
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