「前田家歴代藩主の甲冑・陣羽織と加賀象嵌鐙Ⅰ」石川県立美術館-前田育徳会尊經閣文庫分館
名称:「前田家歴代藩主の甲冑・陣羽織と加賀象嵌鐙Ⅰ」石川県立美術館-前田育徳会尊經閣文庫分館
開催期間:2021年6月14日(月) ― 2021年7月4日(日)
会場:前田育徳会尊經閣文庫分館
開館時間:午前9時30分から午後6時まで (入場は午後5時30分まで)
休館日:会期中無休。
住所:〒920-0963石川県金沢市出羽町2-1
TEL:076-231-7580
URL:石川県立美術館
前田育徳会尊經閣文庫分館では、特集展示「前田家歴代藩主の甲冑・陣羽織と加賀象嵌鐙」を開催します。
江戸時代の甲冑は「当世具足」と呼ばれ、室町時代末期に新しい様式の甲冑として登場しました。これまでの兜(かぶと)・胴・袖だけでなく、面頬(めんぽお)・籠手(こて)・脛当(すねあて)・佩楯(はいだて)など、さまざまな防具が附属されたのです。これらはそれぞれ分解でき、鎧櫃(よろいびつ)に納められます。保管するだけでなく、鎧櫃は背負って持ち運ぶこともできました。
さて、江戸時代になってもなお、武家は甲冑をつくり続けます。加賀藩においてはその業務を御細工所と町方の細工人が担いました。金具細工・革細工・象嵌細工・塗物細工・紙細工・絵細工などさまざまな職種があり、甲冑の製作にはあらゆる技術が求められたのです。
例えば、六代吉徳の甲冑製作に携わったのは、中世より奈良を主として活動した甲冑師のひとつ春田家です。御用を勤めたのは名工・雲海壽尚(二代春田道助)と具足細工師の具足屋藤蔵、金具細工師の金具屋嘉蔵で、吉徳の好みに応じて胴・兜・籠手・脛当・佩楯などの仕様は決まりましたが、いざ吉徳が胴の試着をすると窮屈だったので、御細工奉行有沢武貞より直すよう命じられたといった記録が残っています。本甲冑は製作に至る経緯もわかる貴重な甲冑であるとともに、雲海壽尚の最後の作としても知られています。
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