夏季所蔵品展「瀬戸内の風景」ふくやま美術館

夏季所蔵品展「瀬戸内の風景」ふくやま美術館

名称:夏季所蔵品展「瀬戸内の風景」ふくやま美術館
会期:2021年2021年6月24日(木曜日) ~ 9月12日(日曜日)​​
休館日:月曜休館 
  ※ただし8月9日(月・休)は開館、8月10日(火)は休館
開館時間:午前9時30分~午後5時 
会場:ふくやま美術館 2階常設展示室(福山市西町二丁目4番3号)
観覧料:一般310円(250円) 高校生以下無料 ( )内は有料20名以上の団体料金
住所:〒720-0067広島県福山市西町2-4-3
TEL:084-932-2345 
URL:ふくやま美術館

夏季所蔵品展「瀬戸内の風景」ふくやま美術館
夏季所蔵品展「瀬戸内の風景」ふくやま美術館

いくつもの海峡に囲まれ、大小無数の島が浮かび、独自の風景を形作っている瀬戸内海。各地の景観は、名勝地として万葉の時代から長らく日本人に愛されてきました。しかしながら、この魅力的な複数の湾をひとつの「瀬戸内海」として捉えるようになったのは、近代以降のことです。1934年には、日本固有の景観として世界に誇るべき、守るべき場所として日本初の国立公園に指定されています。画家たちは、外からの目と内からの目が複合的に絡み合い形成された「瀬戸内の風景」を、各立場から自然と向き合い、それぞれの個性を映し出すかのように表現しています。

本展では、水を描かせたら当代随一といわれた吉田博が一連の版画集として発表した〈瀬戸内海集〉、また近代洋画家の巨匠のひとり梅原龍三郎が描いた仙酔島、緒方亮平や和田貢といった福山出身の画家たちが残した鞆の風景、そして港の人々の暮らしなど、多様な視点から捉えられた瀬戸内の風景を、「瀬戸内海」の発見」、「瀬戸内に魅せられた洋画家たち」、「福山の画家たちと鞆」、「日本画家たちと瀬戸内」、「人々の暮らし」、「新しい風景」という6セクションに分けて紹介します。

「瀬戸内海」の発見
 美術において、「瀬戸内」をまとまったイメージで一般に広めた最初の作家のひとりが吉田博(1876-1950)です。吉田は、水彩画の巧手であり、後年に日本の木版画に革新を起こした画家として知られています(3)。23歳でアメリカに渡り、日本国内の風景を描いた作品を全米各地で展示し、大成功を収めました。そのため、外から見た「日本の風景」を強く意識していた画家だといえます。
 1910(明治43)年、吉田博は、中川八郎(1877-1922)、小杉未醒(1881-1964)、満谷国四郎(1874-1936)、鹿子木孟郎(1874-1901)ら太平洋画会を創立した仲間たちとともに、小豆島に写生旅行に出かけています。翌年、その成果として、各人の挿絵入りの紀行文『十人写生旅行 瀬戸内海小豆島』(資料1)を刊行しました。瀬戸内に魅せられた画家たちは、同年、より大規模な巡遊を望み、四国、中国、九州地方を旅し、その成果を『瀬戸内海 写生一週』(資料2)としてやはり挿絵入り紀行文にて発表しています。「瀬戸内海」という言葉を題名にした書籍が日本で初めて出版されたのが1906(明治39)年であったことを考えると(4)、その風景とともに瀬戸内の各地を紹介するというこの書籍の先進性は明らかなように思われます。掲載された各地のみずみずしい風景画図版は、新進気鋭の画家たちによる競作であり、「瀬戸内の風景」を一般に広めるのに大きな役割を担いました。

夏季所蔵品展「瀬戸内の風景」ふくやま美術館
夏季所蔵品展「瀬戸内の風景」ふくやま美術館
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