名称:コレクション展 第2期「特集:抽象表現の楽しみ」岩手県立美術館
会期:2021年7月23日(金・祝)ー10月17日(日)
場所:常設展示室
住所:〒020-0866岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
TEL:019-658-1711
URL:岩手県立美術館
岩手県立美術館では、明治から現代にいたる岩手ゆかりの作家たちの作品を収集し、季節ごとに年4回展示替えを行いながら、常設展示室、萬鐵五郎(よろず・てつごろう)展示室、松本竣介(まつもと・しゅんすけ)・舟越保武(ふなこし・やすたけ)展示室の3室でコレクションを公開しています。
今期の特集展示では、抽象表現による絵画や立体、工芸作品をご紹介します。抽象芸術は、それまで「目に見える具体的ななにか」を表すために用いられてきた、形や色、線など、芸術を成り立たせる基本的な造形要素自体に美を見出し、その表現性に着目するという新しい価値観のもと、20世紀初めのヨーロッパで生まれます。以後時代を経て、表現方法や制作態度はそれぞれ異なるものの、様々な作家が抽象表現によって、その内面の感情やイメージ、あるいは作家を取り巻く世界や現実への独自の捉え方を表してきました。
本特集では、日本における抽象絵画の最初期の作例を残した萬鐵五郎にはじまり、その画業の中でわずか数年間のみ、墨や油彩による抽象作品を描いた澤田哲郎(さわだ・てつろう)、移り住んだイタリアの風土から得た着想を抽象へと昇華した千葉勝(ちば・しょう)、そして盛岡における前衛美術運動の中心となった村上善男(むらかみ・よしお)らによる作品をご紹介します。さらに多様な展開を遂げた現代美術からは、絵の具を画面に飛び散らせ、偶発的な効果を試みたゴトウ・シュウや、身の周りの色彩をモチーフにして、繊細な心象風景を表す杉本(すぎもと)みゆきらの作品をご覧いただきます。
立体作品では、日本の抽象彫刻のパイオニアである昆野恆(こんの・ひさし)、木を素材として、自身の内に潜む形を追求する菅沼綠(すがぬま・ろく)などの作品を展示するほか、工芸の分野からは、陶芸の泉田之也(いずみた・ゆきや)や、漆芸の古関六平(こせき・ろくへい)ら、それぞれの素材の特質を活かした優美な形態をみせる作品をご紹介します。ぜひこの機会に、作家の紡ぎ出す、独創的で多彩な色や形の表現世界をお楽しみください。
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