「─炎と技の芸術─ ヴェネチアン・グラス至宝展」箱根ガラスの森美術館
- 2021/8/12
- 神奈川県
- ヴェネチアン・グラス至宝, 炎と技, 箱根ガラスの森美術館, 芸術
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名称:「─炎と技の芸術─ ヴェネチアン・グラス至宝展」箱根ガラスの森美術館
開催期間:2021年4月24日(土)〜11月28日(日)
開館時間:午前10 時~午後 5 時 30 分(入館は閉館の 30 分前まで)
料金:
一般 1,800 円
高大生 1,300 円
小中生 600 円
休館日:会期中無休
主催:箱根ガラスの森美術館、毎日新聞社
後援:イタリア大使館、イタリア文化会館、箱根町
協力:箱根DMO(一般財団法人 箱根町観光協会)、小田急グループ
住所:住所:〒250-0631神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
TEL:0460-86-3111
URL:箱根ガラスの森美術館
ルネサンス期にヨーロッパのガラスを席巻した繊細優美なヴェネチアン・グラス。多様な様式と技法を生み出し、現代のガラス界にも多大な影響を及ぼし続けています。
これまで箱根ガラスの森美術館では、様々な切り口から ヴェネチアン・グラスの展覧会を開催して参りました。この度、過去に行った展覧会の中で、皆様の記憶に残る テーマと名品を厳選してご紹介するとともに、ヴェネチアン・グラスから影響を受け、新たな作品を生み出している日本とイタリアの現代作家の作品も併せ 、 合計 約 80 点を 展示 致します 。
第1章 ヴェネチアン・グラスの源流
ヴェネチアン・グラスの源流は約2000年前の古代ローマ帝国時代と言われています。その頃既に、現在のヴェネチアン・グラスにみられる多彩なモザイク・グラスや、吹きガラスの器、ガラス製の装身具が誕生していました。2000年の時の経過で風化し、虹色に輝く姿に変貌した古代のローマン・グラスは、自然と人の技が織りなす芸術です。古代のガラス製法はその後一部失われながらも、約1000年後の水の都ヴェネチアに受け継がれ、華麗に発展を遂げることになります。
第2章 ヴェネチアン・グラスの隆盛
ヴェネチア共和国は1291年からガラス職人とその家族をムラーノ島に移住させ、技術の流出を防ぐ強固な保護政策を図り、15世紀にはヨーロッパのガラス産業を独占するに至ります。軽やかなヴェネチアン・グラスはヨーロッパ中の王侯貴族の羨望の的となり、各家の紋章を入れたガラス器が盛んに制作され、祝宴の席で用いられるようになりました。中でもヴェネチアン・レースなどから着想を得たとされる繊細優美なレース・グラスは、ヴェネチアン・グラスの代名詞とされました。
第3章 ヴェネチアン・グラスの復活
17世紀に入るとボヘミアン・グラスをはじめとする他国のガラス産業の隆盛や、続くナポレオンの進行によるヴェネチア共和国の崩壊(1797年)により、ヴェネチアン・グラスは衰退の危機に瀕します。そのような激動の時代、過去のガラス技法を研究し、古代のモザイク・グラスや、黄金時代のヴェネチアン・グラスを復活させる職人たちが現れます。中でもジュゼッペ・バロヴィエール(1853-1942)は、過去の名品の再現に留まらない、「風にそよぐグラス」に代表される超絶技巧の作品制作に成功しました。新たな作品を生み出そうと挑戦する彼らの情熱は、第二次大戦後、エジディオ・コスタンティーニ(1912-2007)に引き継がれます。彼の活躍によって、パブロ・ピカソやマルク・シャガールといった芸術家とガラス職人の競演によるガラス彫刻が生み出されました。
第4章 ヴェネチアン・グラスの新たな可能性
およそ1000年にわたり水の都で育まれたヴェネチアン・グラスは、現在、ヴェネチアのみならず、世界中のガラス作家に多大な影響をもたらしています。本展覧会では、ヴェネチアン・グラスの名品に込められた往時の職人たちの情熱と彼らの技術を受け継ぎ、新たな作品への挑戦を続ける作家たち…特に、既にヴェネチアでは途絶えてしまったヴェネチアン・ビーズ・フラワーの製法を今に伝える下永瀬 美奈子、ヴェネチアの伝統技法と和の心を融合させた作品を生み出す小西 潮、江波 冨士子。そして、ヴェネチアンビーズを独特の感性のよって、斬新なコスチューム・ジュエリーに仕上げるパオラ パスクァリンの4人のアーティストに焦点を当て、ヴェネチアン・グラスの新たな可能性に迫ります。
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