名称:「細見古香庵生誕120年記念 美の境地」細見美術館
会期:2021年8月24日(火) – 10月17日(日)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料:
一般 1,300円
学生 1,000円
主催:細見美術館 京都新聞
住所:〒606-8342京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
TEL:075-752-5555
URL:細見美術館
毛織物業で財を成し、細見コレクションの礎を築いた初代細見古香庵こと細見良(1901-1979)。
熱き想いをもって蒐集した美術品は宗教絵画や和鏡・密教法具などの金工品、茶の湯釜、根来、七宝、土器などと多岐にわたります。古香庵はこうした蒐集品を茶会やもてなしの場で活用し、独自の境地を展開してきました。その精神は二代古香庵や当館の展示スタイルにも大きな影響を与えています。
本展では初代の生誕120年を記念して、「世界最高の美術品は日本の藤原時代の仏画である」という信念のもとで出会った平安時代の「重要文化財愛染明王像」などの仏教絵画や、強い憧れを抱いていた豊臣秀吉を描く「重要文化財 豊公吉野花見図屛風」、研究にもいそしんだ茶の湯釜など、興味の赴くまま、己の美意識を信じて、生涯をかけて追い求めた蒐集品を厳選して紹介します。
細見古香庵について
細見良 Ryo Hosomi
初代古香庵。明治34年、兵庫県美方郡浜坂町栃谷の農家に生まれる。10代で単身大阪に奉公に出た後、毛織物業界に入る。24歳で独立を果たし、30代に事業を拡大。この頃から古美術蒐集を始める。泉大津に邸宅を建てたのを機に、京都・嵯峨 天龍寺の関精拙老大師より“古えの香り充つるゆかしき庵”「古香庵」の号を授る。60歳で事業から引退し、以降、古美術三昧の日々を過ごした。
展覧会の見どころ
- 初代細見古香庵と茶の湯釜 30代頃から事業の余暇に美術品の蒐集をはじめ、「古香庵」という号を用いるようになりました。鑑識力ゼロからスタートした古香庵は、当初なんども手痛い失敗を重ねていますが、研究者の先生から美術品の見方などを学び、一つ一つの作品と真摯に向き合って、鑑識眼を磨いていきました。
さまざまな作品を集めてきた古香庵ですが、中でも「茶の湯釜」の蒐集には大変力をいれていました。多い時には、150点ほどの釜が手元にあり、さらにその全てを使用したと語っています。古香庵はただ蒐集するだけではなく、釜師との交流をもち、釜に合った替え蓋を作らせたりもしています。さらには、研究にも力を入れて、最終的には『茶の湯釜』という著書も遺しています。
古香庵が茶の湯釜に開眼したきっかけとなった重要文化財「芦屋霰地楓鹿図真形釜」、もともとは香炉であったものが、その後、釜に改造された重要美術品「十一面観音図香炉釜」など愛蔵の釜を紹介していきます。
古香庵の釜に対する並々ならぬ愛情を感じていただければと思います。
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