名称:「「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展」銀座メゾンエルメス フォーラム 8階・9階
会期:2021年8月13日(金)〜11月30日(火)
※ファサード展示は2021年7月29日(木)〜10月中旬予定
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム 8階・9階
開館時間:11:00~19:00(最終入場18:30)
※エルメス銀座店の営業時間に準じ、当面のあいだ開館時間を短縮。
※最終入場は閉館30分前
※不定休(エルメス銀座店の営業に準ずる)
※開館日と開館時間についての最新情報はウェブサイトを確認
入場料:無料
主催: エルメス財団
後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
アルゼンチン共和国大使館
フォトクレジット:1-10: ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès 11: ©Yamil Le Parc
住所:〒104-0061東京都中央区銀座5-4-1
TEL:03-3569-3300
URL:メゾンエルメス8階フォーラム
エルメス財団は、ジュリオ・ル・パルクの日本での初個展となる「Les Couleurs en Jeu ル・パルクの色 遊びと企て」を開催いたします。
1928年、アルゼンチンに生まれたル・パルクは、1958年にフランスへの移住以降、同地を拠点に制作を続けるアーティストです。ピート・モンドリアン(1872-1944)やロシア構成主義に大きな影響を受け、幾何学的な抽象画の制作を始めます。1960年代には、ヴィクトル・ヴァザルリ(1906-1997)の作品への共鳴や、視覚芸術探求グループ(GRAV)をオラシオ・ガルシア = ロッシ、フランソワ・モルレ、フランシスコ・ソブリノ、ジョエル・スタイン、イヴァラルとともに結成するなど、アーティスト同士の協働による活動も並行して推進します。GRAVは、視覚的錯覚あるいは動力を用いたキネティック・アートや公共の場における観客参加を促す作品を通じて、従来の美術作品の枠組みや鑑賞方法を覆すような体験を社会に提案しました。当時の革命的な時代の熱気の中、ル・パルクも政治的な運動にも身を投じながら、芸術が限られた人々のみに享受されることや鑑賞者が受動的な立場にとどまることに疑問を投げかけ、視覚的遊びやゲームの要素を用いることで、誰もが平等に芸術に参加してほしいという願望を形にしてゆきました。
ル・パルクの日本での初個展となる本展は、70年を超える継続的な制作活動の中でも、常に鮮明な印象をもたらす「色」を主題としてとりあげます。アーティストは、黒と白、そのグラデーションを出発点に、1959年より自ら構想した14色のみを用いた作品を展開してゆきます。その作品群は、色彩論のように色を解析するのではなく、色を幾何学的なフォルム、あるいは可変性のメタファーとしてとらえるもので、シリーズごとに色の配列を設定し、回転や反復、分割などのヴァリエーションを探究することで生まれました。色の諧調や変容のメカニズムを見極めながらも自在に扱うことは、ル・パルクにとって色の可能性を要約する試みであり、光や動きをとりこむモビールなどと並行して継続する重要なシリーズとなりました。
本展では、アーティストの問題意識に迫るため、初期のモノクロ絵画や色彩探求のドローイングから始まり、代表作である《La Longue Marche(ロング・ウォーク)》や《Lames réfléchissantes(反射ブレード)》、またGRAVの時代から展開してきたモビールの新作までを紹介いたします。また、展示はファサードやウィンドウ・ディスプレイ、エレベーターにもおよび、20周年を迎えるメゾンエルメスのビル全体を使いながら、ル・パルクが目指す鑑賞者との開かれた出会いに挑みます。色を通じて希求された彼の試みや企て、また遊びの要素を通じて、92歳となる現在も精力的に制作を続けるル・パルクとの出会いをお楽しみください。
アーティストプロフィール Artist Profile
ジュリオ・ル・パルク Julio Le Parc
1928年アルゼンチン生まれ。1958年にフランスへ移住以降、同地を拠点に制作を続ける。1960年にパリで発足したGRAV(視覚芸術探究グループ)の創立メンバーとして活動。1966年、第33回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展絵画部門大賞受賞。近年のライト・アートや空間没入型作品の動向を再評価する「Suprasensorial: Experiments in Light, Color and Space」(ロサンゼルス現代美術館、2010年)、「DYNAMO – Un siècle de lumière et de mouvement dans l’art 1913-2013(光/ダイナミック)」(グラン・パレ、パリ、2013年)などの展覧会を通じ、ル・パルクは改めて評価される機会を得ている。主な個展として、パレ・ド・トーキョー(パリ、2013年)、カーサ・ダロス(リオ・デ・ジャネイロ、2013年)、サーペンタイン・サックラー・ギャラリー(ロンドン、2014年)、ペレス・アート・ミュージアム・マイアミ(2016年)、メット・ブロイヤー(ニューヨーク、2018年)など。
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