名称:冬の特別展「世界のクリスマス~北欧のクリスマス飾りを中心に~」日本玩具博物館
会期:2021年11月6日(土)-2022年1月23日(日)
会場:6号館東室
住所:〒679-2143兵庫県姫路市香寺町中仁野671-3
TEL:079-232-4388
URL:日本玩具博物館
キリスト教世界では、アドベント(=待降節/聖アンデレの日・11月30日に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの4週間をさす)に入ると、家々の窓辺にはキャンドルの灯が揺らめき、伝承のオーナメント(=装飾)が美しく飾られて、町全体でクリスマス(=キリスト降誕節)を待ち望む雰囲気を盛り上げていきます。聖バルバラの祝日(4日)、聖ニコラウス祭(6日)、聖ルチア祭(13日)、聖トーマスの祝日(21日)など、キリスト教の聖人を冠した祭礼が続き、地域それぞれに伝統行事を重ねながら、クリスマス当日を迎えます。その後もボクシング・デー(26日)、シルヴェスター(31日)、ニューイヤーと祝日が続き、東方の三博士がベツレヘムのイエスのもとを訪ねたとされるエピファニー(=公現節・1月6日)までがクリスマスです。
こうしたキリスト降誕祭としてのクリスマスが普及する以前の古代ヨーロッパでは、太陽が力を失い、地上の生命力が衰えた冬枯れの季節に光の復活を願い、新年の豊作を祈る祭を行っていました。これは冬至祭や収穫祭として各地に伝えられていますが、キリスト降誕を祝うクリスマスは、土着の信仰をとり込むことを通して、大きな行事へと発展していったと考えられます。クリスマス飾りに登場するキャンドルの灯や光を象徴する造形の美しさ、また麦わらや木の実など、実りを表現するオーナメントの多様性からも、クリスマスがもつ奥行の深さをうかがい知ることが出来ます。
当館のクリスマス展は、クリスマス飾りを通して世界各地のクリスマス風景を描き、玩具や人形文化の母体ともなった冬の祝祭の意味を探る試みです。本年は、収穫を感謝し、太陽の復活を願う冬至の祭礼とキリスト降誕祭が融合した北欧(フィンランド・スウェーデン・ノルウェー・デンマークとバルト三国)のクリスマス❝ユール(Jul)❞に登場する伝承のオーナメントを中心に展示します。また、「中欧」「東欧」「南欧」のクリスマス飾りを合わせてご紹介し、本場ヨーロッパの多様なクリスマスの祝い方を探ります。
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