名称:リニューアル記念コレクション展ボイスオーバー 回って遊ぶ声」滋賀県立美術館
会期:2021年9月18日(土)〜11月14日(日)
(※会期中展示替えを行います)
休館日:毎週月曜日。ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌日火曜日が休館。
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、高・大生 800円(600円)、小・中生 600円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
主催:滋賀県立美術館
協力:京都市立芸術大学
グラフィックデザイン:塩谷啓悟
企画:渡辺亜由美(滋賀県立美術館 学芸員)
住所:〒520-2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1(文化ゾーン内)
TEL:077-543-2111
URL:滋賀県立美術館
本展は滋賀県立美術館の収蔵品約1800件の中から選りすぐった作品を、ジャンルや年代の別なく紹介する、回遊式の美術館を舞台にした展覧会です。
作品をよく見ることは、作品の「声」を聞くことと似ています。その声に耳を澄ますと、思いもよらない作品同士の繋がりが見えてくるかもしれません。この展覧会では、作品の内なる声を集めた6つのテーマを通じ、当館の4分野のコレクション —近代日本画、郷土美術、現代美術、アール・ブリュット— の新たな循環と結びつきを模索します。さらに3組のゲストアーティストが参加し、彼らがコレクションや美術館の佇まいから聞き取った声に、彼ら自身の声を重ねていきます。
緻密かつ大胆なサーチを軸に多様な表現方法を展開する田村友一郎(1977~)は、アンディ・ウォーホルの作品を独自の解釈で捌くことによって、ウォーホルという作家自身のありえるかもしれない像を浮かび上がらせます。「うつす」仕事を通じ、消えゆくものの価値に光を当てる中尾美園(1980〜)は、当館の設立と深いかかわりのある画家・小倉遊亀をテーマに、作品を残すこと/残ることの意味を我々に問いかけます。そして建築家ユニットのドットアーキテクツは、休館中の活動=美術館の声を集めたアーカイブ空間を構成し、「空白」とも思われる長い休館をポジティブに提示することで、リスタートする美術館のこれからについて、鑑賞者とともに考えていく場をつくります。
ボイスオーバーとは、映画などの画面の外から聞こえてくる話者の声のことです。同時に、元の音声言語に別の音声を重ねるナレーションの手法を表します。こうした声の重ね方は、作品を長く保存し展示する過程で、少しずつ新しい意味を見つけて加えていく、美術館の仕事そのものともリンクします。作品とそれを見る私たちの声とが重なり、調和するのではなくしかし豊かな雑踏となって鳴り響く場所。本展が、そうした美術館と出会う機会となれば幸いです。
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