倉持至宏展「天国の事は忘れてしまえ。この地獄の土の上に、厳かに立て。」NSG美術館

倉持至宏展「天国の事は忘れてしまえ。この地獄の土の上に、厳かに立て。」NSG美術館

名称:倉持至宏展「天国の事は忘れてしまえ。この地獄の土の上に、厳かに立て。」NSG美術館
会期:2022年1月22日(土)〜3月27日(日)
午前:10時30分~午後6時(入館は5時30分まで)
  ※特別イベント開催や季節等により開館時間を変更する場合がございます
休館日:月曜日(祝日または振替休日が月曜日の場合はその翌日)
住所:〒951-8101 新潟県新潟市中央区西船見町5932−561
TEL:025-378-3773
URL:NSG美術館

 倉持の作品は脱物質的だ。以前は、画面が装飾的な模様で埋め尽くされた作品を制作していた。制作の意図を聞いた時、頭の中に図像がはっきり見えるので、自分はただ描き写すだけだ、という。
 作家が作品を制作する際、イメージが事前に明確に視覚化されることは実は希なことである。イメージスケッチやエスキースを重ねていく中で、イメージを明確化していくことが一般的である。通常作品は、作品化する以前に、頭の外へと未確定のまま出力されるのである。いちど空気にふれるのである。しかし、彼の作品は一度も空気にふれずに出力される。出力されても空気には触れないかのようだ。
 最近の作品も、マチエールがある画面を持ちつつも、見えてくるものはその表層のディテールのみである。描かれる人体も、空間的表現であるにも関わらず実体感が乏しく、白昼夢のように画面の表面を漂い、あくまでも二次元の境界にとどまる。鑑者と作品空間を共有させない、隔絶された心地よさが、彼の作品の魅力だと思う。長岡造形大学准教授 岡谷敦魚

倉持至宏(くらもち しこう)略歴
1988年生まれ。幼少期にドイツで過ごす。
2011年 長岡造形大学卒。
2015年 東京造形大学修士卒。
【主なコンペディション】 
2014年 SICF15入選。
2018年 シェル美術賞入選。(オーディエンス部門5位)
2019年 上野の森美術館大賞展 賞候補。
【主な個展】
2014年 「容姿は道化師、心は幻」(Gallery 子の星)
2017年 「この星の、ブラックポイント。」(Gallery&Cafe VUCA)
2019年 「侵略者は死ぬべきだ。」(Gallery&Cafe VUCA)

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