コレクション展「第3期 特集:新収蔵作品のご紹介」岩手県立美術館

深澤省三 《日蝕(アンコールトム)》 1963年頃

名称:コレクション展「第3期 特集:新収蔵作品のご紹介」岩手県立美術館
会期:2021年10月23日(土)ー2022年1月23日(日) *12月2日(木)ー5日(日) 設備工事に伴う臨時休館
   前期:10月23日(土)ー12月1日(水)
   後期:12月7日(火)ー1月23日(日)
住所:〒020-0866岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
TEL:019-658-1711
URL:岩手県立美術館

舟越保武 《聖セシリア(『10人の女たち』より)》 1980年
舟越保武 《聖セシリア(『10人の女たち』より)》 1980年

 岩手県立美術館では、明治から現代にいたる岩手ゆかりの作家たちの作品を収集し、季節ごとに年4回展示替えを行いながら、常設展示室、萬鐵五郎(よろず・てつごろう)展示室、松本竣介(まつもと・しゅんすけ)・舟越保武(ふなこし・やすたけ)展示室の3室でコレクションを公開しています。
 今期の常設展示室では、令和2年度の新収蔵作品を中心に展示します。最初にご覧いただくのは、岩手における前衛美術の担い手として、長年にわたり第一線で制作を続けている現代美術家・大宮政郎(おおみや・まさお)の作品です。昨年度の特集展示「北異のマグマ 大宮政郎」をきっかけに収集した33点を、前後期に分けて全てご紹介します。エネルギーに満ち溢れた大宮ワールドを再びご堪能ください。
 深澤省三(ふかざわ・しょうぞう)、舟越保武、舟越桂(ふなこし・かつら)をはじめ、当館コレクションでお馴染みの画家や彫刻家たちの新しい一面を示す作品も多数加わりました。深澤省三の作品は、画家存命中のアトリエ火災で多くが失われており、油彩画の大作《日蝕(アンコールトム)》や戦前作の《〔蒙古にて〕》は、大変貴重な作例です。舟越保武の「10人の女たち」は、今回が初収蔵となる版画作品です。彫刻作品にも登場する女性像に加え、舟越の作品では珍しい裸婦像もあり、彫刻とは異なる親密さが感じられるシリーズとなっています。舟越桂の大型版画作品は、平成29年度に続いての収集となりました。最初期の代表作《鳥の夢を見た》から、近作の《青い頭巾》《海への言葉》まで、11点を前後期に分けて展示します。
 矢野茫土(やの・ぼうど)と浅利篤(あさり・あつし)の作品は、今回が初収蔵です。一関で中学時代を過ごした矢野茫土(本名・文夫(ふみお))は、詩人、文筆家、雑誌編集者など多面的な活動を展開し、鬼才の画家・長谷川利行(はせがわ・としゆき)との交流は広く知られています。戦後に日本画を手がけるようになり、素朴な筆遣いと落ち着いた色彩で、幻想的な風景や草花を描きました。東京都出身の浅利篤は、戦後に岩手で教職に就く傍ら、絵画制作や児童画の研究に取り組んだ人物です。1960年代には、大宮らが立ち上げた盛岡の前衛美術集団「集団N39」に参加。この頃の作である《火の鳥》は、空間の中を漂う不思議な形や赤と黒のコントラストが、ひときわ印象的です。
 このほか新収蔵としては、松本竣介、深澤紅子(ふかざわ・こうこ)、福井良之助(ふくい・りょうのすけ)、佐藤祐司(さとう・ゆうじ)、松田松雄(まつだ・まつお)、杉本(すぎもと)みゆき、村井俊二(むらい・しゅんじ)の作品をご覧いただきます。あらたな顔ぶれとの出合いのひとときを、展示室でごゆっくりお楽しみください。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る