「海を渡った画家たち」軽井沢現代美術館

「海を渡った画家たち」軽井沢現代美術館

名称:「海を渡った画家たち」軽井沢現代美術館
会期:2021年4月29日(木)〜11月23日(土)
開館時間:10:00〜17:00(最終入館は閉館の30分前まで)
休館日:4月下旬〜11月下旬の火曜日・水曜日 (GW及び、夏期は無休開館)
住所:〒389-0111長野県北佐久郡軽井沢町長倉2052-2
TEL:0267-31-5141
URL:軽井沢現代美術館

「1959-12」 1959年 キャンバスに油彩 145.5×112.1cm 堂本尚郎
「1959-12」 1959年 キャンバスに油彩 145.5×112.1cm 堂本尚郎

昨年来、世界中が未曾有のウィルス蔓延という危機に見舞われる中、アート業界に及んだ影響も決して少なくありませんでした。
開催が危ぶまれる展覧会や、発表の場を奪われたアーティストたちの姿は、安全に作品を鑑賞するための工夫、デジタル化の拡充といった進歩を遂げるためのリソースとなりました。
作品と人との新しい関わり方に前向きな様相を感じる一方で、非常時の渦中においては特に、「芸術は不要不急か否か」という問いは常に私たちに投げかけられています。
今回はその手がかりを、当館所蔵の作家たちの作品に求めてみたいと思います。

「1つの中の8」 1987年 金箔 92×72cm 関根伸夫
「1つの中の8」 1987年 金箔 92×72cm 関根伸夫

「具体」や「もの派」をはじめとする日本の戦後美術は今でこそ各国で評価を得ていますが、彼らが筆を握った当時は欧米至上主義の傾向が根強く、苦労が絶えなかったと言います。
中でも祖国を離れ、外国へ活動の場を求めた「海を渡った画家たち」は、圧倒的マイノリティの立場に屈することなく眼の前のキャンバスにただひたすらに向き合いました。
西洋の真似事ではない日本人としての現代美術を生み出すため、アーティストたちは厳しい社会情勢や差別、望郷の念を創作の糧にしていたのかもしれません。
彼らの辿った道のりは生き生きとした作品へと投影され、現代の若手作家たちへと形を変えて受け継がれています。

「91 h.dec 1991」 1991年 キャンバスにアクリル 90×72cm 田中敦子
「91 h.dec 1991」 1991年 キャンバスにアクリル 90×72cm 田中敦子

今まさに世界が直面している事態は、かつての画家たちの体験した苦悶の時代とはかけ離れた状況です。
しかし遠い異国の地で各々が葛藤や焦燥感を抱きながらも生み出した力強い作品と向き合い、そっと感情を重ね合わせることで、苦労を乗り越えた先の未来が見え、得られる勇気があるのではないでしょうか。

本展では、草間彌生の新作セラミックや、「もの派」の代表的作家として日本現代美術の変革に大きな功績を築いた関根伸夫の作品を始め、約20名の作家による作品を展示いたします。
アートの持つ普遍的な「力」を感じていただけましたら幸いです。

●出展作家
青木野枝、今井俊満、金沢健一、川俣正、鬼頭曄、草間彌生、佐藤敬、白髪一雄、菅井汲、関根伸夫、田中敦子、堂本尚郎、奈良美智、東恩納裕一、眞板雅文、前川強、宮島達男、元永定正、ロッカクアヤコ (五十音順) 他

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