名称:特別展「限らない世界 / 村上三郎」芦屋市立美術博物館
会期:2021年12月4日(土)〜2022年2月6日(日)
会場:芦屋市立美術博物館
時間:10:00〜17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日:月曜日 1月11日
年末年始 12月28日~1月4日
※ただし1月10日は開館
観覧料:一般 800円(640円)
大高生 500円(400円)
中学生以下 無料
同時開催「昔のくらし」展の観覧料含む
※無料観覧日:2022年1月15日(土)〔関西文化の日プラス〕
※( )内は20名以上の団体料金
住所:〒659-0052兵庫県芦屋市伊勢町12-25
TEL:0797-38-5432
URL:芦屋市立美術博物館
具体美術協会(「具体」)の中心メンバーとして知られる村上三郎(1925-1996)は、1955年の第1回具体美術展で、ハトロン紙を体当たりで突き破る作品、通称〈紙破り〉を発表。以降、この〈紙破り〉は村上の代名詞ともいえる作品となりました。
50年代から60年代にかけては、パフォーマンス的要素をもつ作品とあわせ、強烈なストロークで描かれた大型のタブローなどを発表し、平面作品での表現を追求していきます。「具体」解散後は、村上独自のパフォーマンス的要素を持つ作品を発表しました。
村上が紹介される時、「具体」の会員としての一面で語られることが多い中、1996年に芦屋市立美術博物館で開催した村上三郎展では、「具体」という枠組みを解体し、一作家、一人の人間としての「村上三郎」の世界に迫りました。本年は、この歴史を画する村上三郎展から、そして村上三郎の旅立ちから25年を迎えました。この記録すべき年に、再び村上三郎展を開催します。
村上は、1949年より伊藤継郎に師事し新制作協会で発表を続けます。同会展で人物画や風景画を出品するなか、次第に抽象表現へと移行していきました。それは、同会の若手作家たちが集った「ジャン会」や新鋭な美術を目指した若手作家グループ「0会」での活動によるところが大きく、「具体」入会前夜の活動を知ることは、村上の「絵画」に対する思考を再確認することになると考えます。また、50年頃から終生携わることになった児童を対象とした美術教育の活動を振り返ることは、常に自由で新鮮な創造行為を続けてきた村上の発想の源泉に触れることにもなるでしょう。
本展では、「具体」の代表作や70年代の個展とともに、これまで紹介されることが少なかった新制作協会時代の作品を展観します。あわせて、〈紙破り〉の資料展示とともに、未発表であった作品制作のためのメモや関係資料、記録写真や映像資料などを加え、約50年にわたる活動を多角的に紹介します。
本展は、村上三郎を形作る別の根幹に触れながら、新たな村上三郎像を立ち上がらせる試みです。
《本展のみどころ》
1 国内の美術館では初公開の作品を多数展示予定。
本展では、《自画像》(1950前半)や村上彦(三郎)・白髪一雄二人展出品作である《危険なる均衡》(1954)といった、「具体」参加以前の作品のほか、第9回具体美術展に出品されてから所在不明であった《作品》(1960)、モチーフが大きく変化した1964年の具体美術新作展出品作《作品》(1964)〔すべて個人蔵〕など、当時の発表以降、国内の美術館では初の展示となる作品を一挙公開します。
また、1956年7月の野外具体美術展(芦屋公園)に出品した《空》(1956/1993)を屋外で展示し、当時の鑑賞方法を再現します(鑑賞体験は日時限定を予定)。
2 未公開の作品制作メモや関係資料、記録写真・動画などの資料を展示します。
村上三郎が残した作品制作に関するメモや当時の手帳、記録写真といった未公開の資料のほか、新制作協会やジャン会、0会、具体美術協会、個展(1970年代)、などの関係資料を展示します。あわせて、村上の代名詞とも言われる、通称〈紙破り〉の関係資料(写真・映像記録等)を展示し、村上三郎が歩んだ時間を可視化します。
3 専門家による講演会、スライドトークを開催します。
本展関連事業として、具体美術協会など戦後美術を研究している平井章一氏(関西大学文学部 教授)、1996年に芦屋市立美術博物館で開催した村上三郎展を企画した山本淳夫氏(横尾忠則現代美術館 館長補佐兼学芸課長)、村上三郎作品の修復を手掛けた横田雅人氏(修復家)の3名をお招きし、「村上三郎」の作品論・芸術論などについてお話いただきます。
併せて、会期中に学芸員によるワークショップやギャラリーツアーを開催します。
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