春の特別展「雛まつり~京阪地方の雛飾り~」日本玩具博物館

「風流古今十二月ノ内 弥生」(江戸後期・天保年間/香蝶楼国貞(三代歌川豊国)

名称:春の特別展「雛まつり~京阪地方の雛飾り~」日本玩具博物館
会期:2022年1月29日(土)-2022年4月10日(日)
会場:6号館(東室・西室の一部・ランプの家)
住所:〒679-2143兵庫県姫路市香寺町中仁野671-3
TEL:079-232-4388
URL:日本玩具博物館

 現在、私たちは、五段あるいは七段に毛氈を敷き、屏風を立て廻して飾りつけるものが昔からのただ一つの雛の伝統だと思いがちですが、昭和初期までは関東と関西の違いのみならず、城下町や地方都市、農村部など、土地によって様々に異なる雛の世界がありました。
 春の恒例となった雛人形展は、500組をこえる日本玩具博物館の雛人形コレクションの中から、様々な時代や地域の雛人形を取り出して展示し、雛飾りの多様な世界を紹介する試みです。今春は、江戸時代後期から明治・大正時代に京都や大阪といった大都市部で飾られた豪華な雛飾りを展示し、全国に影響を及ぼした京阪地方の町雛の様式をとりあげます。
 雛飾りに人形や諸道具を飾るための雛段が見られるようになったのは江戸時代のこと。初期の頃は、毛氈などの上に紙雛と内裏雛だけを並べ、背後に屏風を立てた平面的な飾り方で、調度類も数少なく、簡素かつ自由なものでした。雛祭りが盛んになるにつれて、雛人形や添え飾る人形、諸道具の類も賑やかになり、雛段の数も次第に増えていきます。江戸後期になると、富裕な町家の十畳座敷いっぱいを使うような贅を尽くした雛段も登場してきます。

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