吉野もも「Make It Simple」日本橋三越本店

「Kami #82」2022年 18.0×42.3cm 

名称:吉野もも「Make It Simple」日本橋三越本店
会期:2022年3月2日(水) ~ 2022年3月14日(月) 最終日は午後5時終了
会場:日本橋三越本店 本館6階 コンテンポラリーギャラリー
住所:〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1
TEL: 03-3241-3311
URL: 日本橋三越本店

「Kami #76」2022年 90.4×91.0cm 
「Kami #76」2022年 90.4×91.0cm 

日本橋三越本店では初となる吉野もも氏の個展を開催いたします。
吉野氏は光と影を巧みにアクリル絵具で描きわけ、その絵が空間に影響することで私たち鑑賞者が存在する3次元をも取り込み、拡張していくようなトリッキーな絵画を制作しています。
制作を重ねている「Kamiシリーズ」の作品は「折り紙」をモチーフとしており、日本人であれば多くの人が幼少期に1度は遊んだ記憶のある日本独自の遊びです。近年では世界的にも「Origami」として認知され、あらゆる人々を繋ぐコミュニケーションツールにもなっています。
この折り紙のルーツを紐解いていくと、元来は神事において供物や贈り物を包むということから派生しています。室町時代に入ると、包みを美しく折って飾る儀礼折が生まれます。そして江戸時代に入ると礼法や決まりなどからは離れ、紙も量産されたことで庶民にも親しまれるようになります。この折り方自体が楽しまれるようになったのが現在の「折り紙」です。
また折り紙の空間の捉え方に目を向けると、四角い形から様々に折って形を変容させることができる点は、日本建築の畳を畳む、障子で仕切るという自由な空間性と柔軟性を折り紙にも同様に見て取ることができます。
そして「Kamiシリーズ」に関しては“紙”と“神”というダブルミーニング的な意味あいを持たせているそうで、ない場所に奥行きを観るということと、存在しない対象つまり森羅万象に畏怖の念を抱いて拝むという行為に類似性を見出しました。このような背景を引用しつつ、“ある”と“ない”の狭間の状況を感じるような作品の制作に昇華させていったそうです。
今展のタイトルでもある「Make It Simple」。「simple」 のラテン語の語源がsim:一回、ひとつ plico / plicare:折る、畳むという意味であり、まさに今回制作する新作が、シンプルな形を中心としているということと、一度、単純な要素に立ち戻って制作したいという自分自身への投げかけのようなものと吉野氏は語っています。

「Kami #43 -lightning-」2018年  123.0 × 116.0㎝  アクリル絵具、パネル
「Kami #43 -lightning-」2018年 123.0 × 116.0㎝ アクリル絵具、パネル

吉野 もも Momo Yoshino
1988 東京都生まれ
2012 多摩美術大学 絵画学科 油画専攻 卒業
2014 イギリス ロイヤルアカデミースクール, ファインアート科 交換留学
2015 東京藝術大学大学院 美術研究科 油画専攻 修士課程 修了
個展
2019 into the Painting (Luxelakes A4 Art Museum International AIR Base、成都、中国)
2018 being (rin art association、高崎)
2017 Link (西武渋谷店 全館プロモーション、東京)
   Metamorphose (SHOWROOM、台北)
2015 Transformation (Hasu no hana、東京)
2013 間 (Hasu no hana、東京)
   空と実(くうとじつ) (Gallery APA、名古屋)
主なグループ展
2022 Encounters in Parallel (ANB Tokyo、東京)
   アルスくんとテクネちゃん パラレル・アートパーク (バーチャル渋谷区立宮下公園)
2020 天王洲アートフェスティバル (天王洲、東京)
   アートプロジェクト高崎 (高崎、群馬)
   nine colorsⅩⅣ (西武渋谷店美術画廊、東京)
2019 画のなかとそと (ANAインターコンチネンタルホテル東京、東京)
   正しい歪み方 (KOGANEI ART SPOT シャトー2F、東京)
2016 台湾・日本・現代絵画の未来と可能性 (東京藝術大学大学美術館陳列館、東京)
   nine colors X  (西武渋谷店美術画廊、東京)
2018 多摩美術大学助手展 (多摩美術大学アートテーク、東京)
2017 A LITTLE WEIRD (ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur、クアラルンプール)
2015 黄金町通路 再訪 (黄金町 高架下スタジオSite-Aギャラリー、神奈川)
   PAPER DRAWINGS (ギャラリーなつか、東京)
   シブヤスタイルvol.9 (西武渋谷店美術画廊、東京)
2013  吉原芸術大サービス (吉原神社他、東京)
   ハギエンナーレ2013“Third Life” (HAGISO、東京)
   CONSTELLATIONS (blanc gallery、マニラ、フィリピン)
2012 黄金町バザール2012 (黄金町、神奈川)
2011 薬局はどこ? ( 旧小林薬局、東京)
アーティストインレジデンス
2019  Luxelakes A4 Art Museum、成都、中国
受賞歴
2009  via art 2009 KURATA賞
2012  多摩美術大学卒業制作 福沢一郎賞
    GTS AWARD奨励賞
2014  TURNER AWARD 2013 未来賞
2015  TURNER AWARD 2014 未来賞
    神山財団芸術支援プログラム第一回卒業成果展 神山賞

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