特別展「けずる絵、ひっかく絵」平塚市美術館

山内若菜《刻の川 揺》2021年、作家蔵

名称:特別展「けずる絵、ひっかく絵」平塚市美術館
会期:2022年4月9日(土曜日)~6月12日(日曜日)
開館時間:9時30分~17時(入場は16時30分まで)
休館日:月曜日
観覧料金:一般200円/高大生100円
  ※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
  ※各種障がい者手帳をお持ちの方と付添1名は無料
  ※65歳以上で平塚市民の方は無料、市外在住の方は3割引(年齢・住所を確認できるものをご提示ください)
主催:平塚市美術館
住所:〒254-0073神奈川県平塚市西八幡1-3-3
TEL:0463-35-2111
URL:平塚市美術館

井上三綱《駆け出した牛》1956年、当館蔵
井上三綱《駆け出した牛》1956年、当館蔵

「絵を描く」というと、線を引き、絵具を塗るという行為を連想しますが、人類最初の文化遺産として知られている洞窟壁画が、壁に動物や人間の形を線刻していることからも明らかなように、長い美術の歴史において、表現の様式は決して画一的なものではありません。本展では、絵具を削り、あるいは、引っかいた痕跡を画面にのこして仕上げた作家に注目し、所蔵品の中から、井上三綱(1899-1981)、鳥海青児(1902-1972)、内田あぐり(1949-)、岡村桂三郎(1958-)の作品約50点を展示するほか、藤沢市に在住で近年注目されている山内若菜(1977-)の作品をご紹介します。
井上と鳥海は、戦前から洋画家として活動し、欧米と日本の対比や国際的な美術の潮流の中で日本の作家として特性をいかに打ち出すかという課題を抱えていました。一方、戦後生まれの内田は人間存在の本質に迫ることに、岡村は人間と自然との関係性に、山内は傷ついた動物と自身の心を重ね合わせることに制作の要点があります。各作家の問題意識にもとづいて「けずる、ひっかく」という手法が用いられ、それが作家の表現様式として実を結んでいる点に着目し、作品をご鑑賞くだされば幸いです。

岡村桂三郎《百眼の魚18-1》2018年、当館寄託
岡村桂三郎《百眼の魚18-1》2018年、当館寄託
鳥海青児《壁の修理》1959年、当館蔵
鳥海青児《壁の修理》1959年、当館蔵
内田あぐり《吊された男♯01K》2001年、当館蔵
内田あぐり《吊された男♯01K》2001年、当館蔵
山内若菜《刻の川 揺》2021年、作家蔵
山内若菜《刻の川 揺》2021年、作家蔵

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