名称:「宿す神秘 塚田美登里・中田真裕 二人展」ギャラリーNOW
会期: 2022年4月20日(水)− 5月1日(日)
開廊時間 :10:00−18:00(日・祝日は17:00まで)
休廊日 : 毎週月曜日
会場 : ギャラリーNOW
住所:〒930-0944 富山県富山市開85
TEL:076-422-5002
URL:ギャラリーNOW
ギャラリー NOW では 2022 年 4 月 20日 ( 水 ) から 5 月 1日 ( 日 ) まで、「宿す神秘 塚田美登里・中田真裕 二人展」展を開催いたします。
工芸は今や、伝統を踏襲しながら個の表現としての可能性を拡張させた ”KOGEI ”と して広く世界にその存在を認識されるものとなりました。
本展は、その中でも工芸の先端的な表現を展開する二作家、塚田美登里・中田真裕をご紹介します。
人間が生み出した最古の素材とされるガラスを用いて、植物の葉脈や細胞を思わせる繊細な表情と有機的でダイナミックな造形を展開する塚田美登里は、重ねた板ガラスに金属箔を熔着し、熱を加えながらガラスの自重によって形成した後、研磨・カットすることで器体の中にいくつものレイヤーを抱く複雑な光を留めます。時に森林深くの木漏れ日を、時に、海底から水面を見上げるような感覚を思い起こさせる塚田の作品は普遍的な地球の自然美を凝縮するかのようです。
タイ・ミャンマーの伝統漆芸技法で、香川県高松で栄えた「蒟醤(きんま)」を駆使する中田真裕は、漆面を刃物で彫った後、数十種類の漆を塗り重ねて充填。硬化後さらに研ぎ出して、豊かな表情を浮かび上がらせます。中田は漆面の彫りを深くすることで、 充填する色漆の層を増やし、複雑に絡み合う文様を表出しています。その文様は様々な土地独特の風土気候を織り込んだ心象風景を映し出し、本来姿をとどめることのできない現象にかたちを与えています。
深淵なる自然の世界に眼を向け、確かな技術力でその神秘を作品に宿す二作家の創造は、制作工程の中に自然のリズムを見出し、身を委ねることで、自らも生命の歴史の一端を織りなしていく営みのようです。SNS の普及等リアルタイムで世界の変容が日常に浸透するデジタルベースの時代に、感覚を研ぎ澄ます触手のような感受性を備えた手と、素材と実直に対峙する姿勢は現代にこそ必要とされるものでしょう。ガラスと漆を用いて、北陸を拠点に”KOGEI ”の旗手として注目を集める二人。それぞれの新作を軸に、普遍的な美を貫き、さらにその表現の進化を見せる両作家の技と感性の結晶をご高覧ください。
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