名称:田口るり子 「CUTOFF」GALLERY GARAGE(ギャラリーガラージュ)
会期:2022年4月29日(金)~2022年5月8日(日)
開廊時間:12:00〜19:00
入場料:無料
会場:GALLERY GARAGE(ギャラリーガラージュ)
会場:GALLERY GARAGE(ギャラリーガラージュ)
住所:〒601-8022 京都府京都市南区東九条北松之木町7-1
URL:GALLERY GARAGE(ギャラリーガラージュ)
爪や髪を切ると、切った瞬間それは自分から離れて不必要なものとなり、ゴミとなり、汚い物に変わる。
子供の頃からそれがとても不思議だった。
美容室の高い散髪椅子から、切られて落ちた髪がセミの抜け殻のようだ、と思って見ていたのを覚えている。
ここ数年、世界は急に狭く窮屈なものになった。
そしてその狭さは少しずつ心にのしかかり、平気なフリをしながらも目に見えない何かに囚われていった。
その頃から鏡に写る自分が誰か知らない人のような気がした。
そんなはずはない、と向こうの世界の私に少し微笑んでみる。
手につく抜けた髪は、誰か知らない人の髪の様な気がした。
そんなはずはない、と抜けた髪を握りしめる。
絡まり、いつの間にか重たくなった心を脱ぎ捨て前を向く為、私は身代わりに髪を切った。
子供の頃見ていたセミの抜け殻の様な髪の束の上に裸足で立ってみると、思いの外柔らかかった。ほんの一瞬前までは私の一部だったもの。でももうそれは必要のないもの。
その境目はほんのわずかだ。
CUT OFF
人は、断ち切り、取り入れ、断ち切る、を繰り返し進んでいく。
生きていく為に。
アーティスト詳細
田口るり子/Ruriko Taguchi
愛知県名古屋市出身。東京都在住。
1978年12月8日生まれ。
2003年から独学で写真を始める。
その年の富士フォトサロン新人賞(2003年)の受賞を機に、写真家としての活動を始める。
以後、音楽関連、雑誌媒体などで撮影の仕事をしながら、一貫して女性を被写体としたテーマで作品を制作し、写真展や誌面で発表し続けている。
20才の時の母親の死をきっかけに、自分の生きている証を形にして残したいと言う思いから作品を作っている。女性を被写体にしている理由は、そこに自分自身を投影し、写真の中で被写体と共に生きる事ができるという思いがあるから。
主な作品に、女性の背中だけの肖像を集めた「形骸土木」(2010〜)、ヌードを景色のように見立てた「SCAPE」(2016〜)、祖母のドキュメンタリーポートレート「KIYOKO」(2017〜)、自身初のセルフヌードポートレート「CUT OFF」(2020)などがある。
公益社団法人日本写真家協会会員 日本舞台写真家協会会員
instagram https://www.instagram.com/ruriko_taguchi
webサイト rurikotaguchi.jp
Awards
<2003> 富士フォトサロン新人賞
<2004> 二科展 入選
Exhibitions
個展
<2020>「CUT OFF」 ふげん社(東京)
<2018>「SCAPE # 5」ザ・コンランショップ新宿本店(東京)
「SCAPE # 4」帝国ホテルプラザ東京(東京)
<2017>「rhythm」ニコンプラザ名古屋(愛知)
「rhythm」ニコンプラザ銀座(東京)
「MONO SCAPE」 EIZOガレリア銀座(東京)
グループ展
<2020>「コロナの春」ふげん社(東京)
「SELF-PORTRAIT」Jam Photo Gallery(東京)
<2018> 「Womania」ふげん社(東京)
<2017>「fotofever」カルーセル・ドュ・ルーヴル(パリ)
「Fad Fair」アートコンプレックスセンター(東京)
「ポートレート写真家8人展」オリンパスプラザ東京(東京)
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。