名称:西澤知美 「ambiguous contours」OIL by 美術手帖
会期:2022年6月15日(水)~2022年7月11日(月)
開館時間:11:00 〜 20:00
入場料:無料
会場:OIL by 美術手帖
住所:〒150-8377 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO2F
TEL:03-6868-3064
URL:OIL by 美術手帖
このたびOIL by 美術⼿帖ギャラリーでは、⻄澤知美個展「ambiguous contours」を開催いたします。本展は、2020年開催の「The skin you are now in」(アートフロントギャラリー、東京)以来、⻄澤にとって約2年ぶりとなる新作個展です。
⻄澤知美は、東京藝術⼤学先端表現科を⾸席卒業、同⼤学院美術研究科を⾸席修了し、近年は「美容と医療」をテーマとした作品を発表してきました。注射器とリップグロスの先端を組み合わせた⽴体作品、医療⽤ステントによって⽀えられた⼼臓の形に⾒⽴てたガラスのネックレス、ビューラーと医療⽤鉗⼦をモチーフとした⼤型彫刻。⻄澤は、シンボリックなモチーフを取り合わせ、巧妙な技術を⽤い、広告やジュエリーのように洗練されたデザインの作品を⽣み出します。また、写真、⽴体など個々の作品が独⽴した存在感を持ちながらも、展⽰空間全体が共鳴しあうように成⽴しているのも、⻄澤の展⽰の特徴です。全体と細部が計算され尽くした空間で、鑑賞者は⼀瞬にして⻄澤のつくり出したフィクションの世界に没⼊することでしょう。
メイク道具と医療器具というモチーフから、⾏き過ぎた現代の美容⾏為への警鐘ともとらえられがちな⻄澤の作品群ですが、美容⾏為へのネガティブな批判ではなく、⻄澤の作品の核にあるのは⼈体の「表⾯性」への問いかけにほかなりません。美しさを追求するなかでファンデーションやまつげエクステなど⽣⾝の⾝体を模したメイクを施し、⽪膚内部にヒアルロン酸や脂肪などを注⼊・除去し肌表層を再構築することも「⾃分⾃⾝」なのかという、⾃分という存在の定義について問いを投げかけます。
本展では、美容内服薬をモチーフに鏡を⽤いた作品や、マイクロカニューレ(⾎管や神経などの⽪下組織を傷つけないようにした先の丸い針)の彫刻作品などの新作を発表します。鏡の向こう側をのぞきながら、⾃分⾃⾝のあいまいな輪郭(ambiguous contours)と境界について、考えるきっかけになれば幸いです。
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