初夏の所蔵品展ミニ特集「シュルレアリスムと鹿児島」鹿児島市立美術館

入来天《快楽》

名称:初夏の所蔵品展ミニ特集「シュルレアリスムと鹿児島」鹿児島市立美術館
会期:令和4年5月31日(火曜日)~令和4年8月7日(日曜日)
会場:2階(常設展示室)
観覧料:一般300円、高大生200円、小中生150円
年間パスポート:一般600円、高大生400円、小中生300円 ※購入日から1年間、所蔵品展・小企画展を何度でもご覧いただけます。
住所:〒892-0853鹿児島県鹿児島市城山町4-36
TEL:099-224-340
URL:鹿児島市立美術館

アルフレッド・シスレー《サン・マメスのロワン河畔の風景》
アルフレッド・シスレー《サン・マメスのロワン河畔の風景》

シュルレアリスム(超現実主義)は、第一次世界大戦を経た1920年代のパリに生まれ、世界中に波及していった20世紀美術の大きな潮流の一つです。この運動では、無意識の世界にいかにアプローチするかという問題に対し、大きく二つの方法論が取られています。湧き上がってくるイメージや連想を自由に働かせ、戦後アメリカの抽象表現主義にも影響を及ぼしたミロやマッソンのオートマティスム(自動記述法)の方向と、無意識の世界を写実的に描き出そうとしたダリやマグリットの魔術的リアリズムの方向とがあります。
 日本のシュルレアリスムは、本家のパリ以外で最も豊かな展開をしたと言われています。戦前から活躍した古賀春江、福沢一郎、岡本太郎などが代表作家ですが、やがて、戦時下で治安維持法によって、弾圧されて挫折しました。しかし、その影響力は戦後も各地に引き継がれました。ここ鹿児島も例外ではなく、いくつかの作例として結実しています。
 今回のミニ特集では、ヨーロッパ留学中に同時代の前衛美術の一つとしてこの運動に接近しつつも微妙な距離を置いた東郷青児、太平洋戦争中に疎開先の人吉でデッサン三昧に耽る中で図らずもオートマティスムの域に到達した海老原喜之助、さらに日本のシュルレアリスムを代表する団体・美術文化協会に参加した入来天や清野正、また国画会を舞台に独自の表現をした原田成大と和田忠志など、鹿児島出身の作家たちをご紹介します。

木村探元《雲龍図》
木村探元《雲龍図》
黒田清輝《アトリエ》
黒田清輝《アトリエ》

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