「判断の尺度  vol. 2 加藤巧|To Do」Gallery αM

To Paint(fire)》2022年|顔料、卵黄、アクリル樹脂、二水石膏、兎膠、亜麻布、木材|50.2×33.8cm

名称:「判断の尺度  vol. 2 加藤巧|To Do」Gallery αM
会期:2022年6月18日(土)~8月6日(土)
開館時間:12:30〜19:00
休館日:日月祝休
入場無料
住所:〒101-0031 東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル B1F
TEL:03-5829-9109
URL:Gallery αM 

(左)《Spinach》2021年|顔料、アクリル樹脂(Paraloid B-72)、水性樹脂(Jesmonite AC100)、木材|37.6×29.5cm 撮影:高嶋清俊 提供:Yoshimi Arts (中)《Soil Layer》2021年|顔料、カゼイン、アクリル樹脂(Paraloid B-72)、水性樹脂(Jesmonite AC100)、木材、アルミ材|120×35cm (右)《Stroke 02》2018年|顔料、卵黄、乾性油、グリセリン、アクリル樹脂、二水石膏、兎膠、亜麻布、木材|20×183cm 撮影:大島拓也
(左)《Spinach》2021年|顔料、アクリル樹脂(Paraloid B-72)、水性樹脂(Jesmonite AC100)、木材|37.6×29.5cm 撮影:高嶋清俊 提供:Yoshimi Arts (中)《Soil Layer》2021年|顔料、カゼイン、アクリル樹脂(Paraloid B-72)、水性樹脂(Jesmonite AC100)、木材、アルミ材|120×35cm (右)《Stroke 02》2018年|顔料、卵黄、乾性油、グリセリン、アクリル樹脂、二水石膏、兎膠、亜麻布、木材|20×183cm 撮影:大島拓也

メディウム で/が 語る
千葉真智子(豊田市美術館学芸員)
メディウムを介してダイヴしようとすること。
絵を造りながら加藤さんがしていることを、こう言ってみることはできないだろうか。
絵画が「絵画」として存在する以前に遡る時間、あるいは美術とされる枠を超える領野。あえてメディウムを引き受けながら、なおそこに向かおうとすること。
今回の企画を考えるなかで頭を占めていたことの一つは、いまある判断や批評の枠組みそれ自体からどう逃走することができるか、ということであった。私たちが使う言葉は、了解されているルールがあってはじめて機能する。この決まりごとに慣れていくなかで、私たちは判断そのものを、無意識のうちに私の外部に委ねてしまっているのではないだろうか。
美術には、いくつかのジャンルと呼ばれるものがあり、そのジャンルに特有のメディウムがあり言語がある。だから、作品を作ろうとすれば、おのずと長年の蓄積によって形成された問題の系譜を頼りにしてしまうし、作品を見ようとすれば、おのずと聞き覚えのある批評言語を当てはめてしまうこともあるだろう。しかし、長年の使用に耐えてきたメディウム=言葉には本来、私たちが限定的に使用する以上の、自立した可能性が潜んでいるのではないか。メディウム自体が、私たちを新たな地平に導いてくれるのではないか。メディウムを、放棄することなく扱い直そうとすること。
あえて、もっとも古いメディア=絵画でその実践をしてみるのがよいだろう。
使い古されたはずのメディウム=言葉を通して遠くに行く。思いきって、私の手癖を放り投げる。作家も。批評も。そうしたとき、私たちは何から解放され、何を得ることができるのだろうか。
▊加藤巧 かとう・たくみ▊
1984年愛知県生まれ。岐阜県在住。美術家。人間が扱う材料や行為を中心的な関心として、それらを検討、再構築することで絵画などの作品制作を行なっている。近年の主な個展として「Quarry」gallery N(愛知、2021)、「Re-touch」the three konohana(大阪、2021)、「ARRAY」the three konohaha(大阪、2016)など。主なグループ展に「SUPERNATURE」White Conduit Projects(ロンドン、2021)、「2つの時代の平面・絵画表現―泉茂と6名の現代作家展」Yoshimi Arts・the three konohana(大阪、2021)、「VOCA展2020 現代美術の展望・新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京、2020)、「タイムライン――時間に触れるためのいくつかの方法」京都大学総合博物館(2019)、「ニューミューテーション 〜変・進・深化」京都芸術センター(2018)など。

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