「測鉛をおろす中桐聡美 山田真実」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)

「測鉛をおろす中桐聡美 山田真実」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)

名称:「測鉛をおろす中桐聡美 山田真実」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)
会期:2022年7月30日(土)–2022年8月28日(日)
開館時間:11:00–19:00
休館日:月曜日
入場料:無料
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
展示室:@KCUA 2
住所:〒604-0052京都府京都市中京区押油小路町238-1
TEL:075-253-1509
URL:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)

「測鉛をおろす中桐聡美 山田真実」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)
「測鉛をおろす中桐聡美 山田真実」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)

私たちは版画のプロセスが「境界」を越える行為にとても近いものではないかと考えています。シルクスクリーンでは、刷りによってインクが版を越えることでイメージが現れ、木版画では和紙と版木とが接しながら、墨によって互いの内部へ侵食し合うようにイメージが摺りとられます。何かについて理解しようとするために、まずそれらと自身を隔てる「境界」を意識し、それを越えて外側へ向かうのだとすると、外と内とを区別する過程で、内側である自身について改めて考える必要があります。この外と内との往還に、版画との共通点を見出しているのです。
この「境界」を越えることによって生まれる流動性と、私たちが現在拠点とする瀬戸内海/琵琶湖という水辺の生活環境とをつなぐ言葉として、本展に「測鉛をおろす」というタイトルをつけました。「測鉛をおろす」とは、綱の先に鉛のおもりをつけた「測鉛」を海に投げ入れて水の深さを測ることを指します。私たちは制作のなかで、船上にいるかのように揺れ動く自身との関係性を考えながら、海面にたとえられた「境界」を越えたその先について知ろうと試みています。そして、それぞれの行為の痕跡を並べてみたとき、そこにまた「境界」があらわれ、新たな気づきを生み出していくのです。私たちは本展を、こうしてあらわになったいくつもの「境界」へ触れる知覚装置と捉えています。そこに示された「境界」を意識することは、鑑賞者自身にとっての新たな海底への道を開いてくれることでしょう。

作家プロフィール
中桐聡美(なかぎり・さとみ)
1995年  岡山県生まれ
2020年  京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
     現在、瀬戸内海を臨む場所にアトリエを構える。
     *好きな海辺の生き物はワカメ
山田真実(やまだ・まみ)
1995年  大阪府生まれ
2020年  京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
     現在、びわ湖の側でものづくりをしている。
     *好きな湖辺りの生き物はカイツブリ

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