「Emerging Painter’s Show – Summer 22 -」myheirloom(マイエアルーム)

「Emerging Painter's Show - Summer 22 -」myheirloom(マイエアルーム)

名称:「Emerging Painter’s Show – Summer 22 -」myheirloom(マイエアルーム)
会期:2022年7月23日(土)~2022年8月7日(日)
開館時間:15:00 〜 19:00
休館日:月曜日、火曜日、水曜日
    土曜日・日曜日は12:00〜19:00
入場料:無料
会場:myheirloom(マイエアルーム)
住所 〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 211号室
URL:myheirloom(マイエアルーム)

myheirloom(マイエアルーム)ではこの度、東京、京都、山形、愛知の各都市にそれぞれ拠点を置く4名の同世代ペインターをフィーチャーしたグループ展「Emerging Painter’s Show -Summer 22-」を開催いたします。
本展では、マーケットシーンにおける局地的な流行や受賞歴などの評価軸から脱却し、技法・表現・作品世界に純粋な魅力を持つ新世代の作家を独自の観点で選出しております。特に、地方の芸術大学を出てそのまま地元に拠点を置く作家の多くは、一部を除き東京を中心としたマーケットへのアクセス手段やコレクターからの作品認知の機会が限られている現状があります。今回は敢えて作家の制作拠点となる都市を分散し、エリア毎に選出を行うことで、全国から平等に才能の選出が出来るよう企画いたしました。
石井佑果は、今年の東京藝術大学の卒業・修了制作展において、最も純粋かつ根源的な絵画との向き合い方を提示していたペインターであったかもしれません。具象でも抽象でもなく、リズミカルに配置された記号とそれらが生み出すリズムについて、展覧会をキュレーションするかの如く絵画世界を構成する緻密な編集作業の手つきを見ているようです。同時期開催でMITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、アキバタマビ21での展示も日程が重なっておりますので、合わせてご覧ください。
平野成悟の絵画は、抽象的でありながら、広大な砂漠や夜の海の前に立った時のような感覚を思い起こさせます。今年の京都市立芸術大学の修了展では、空間に対するアプローチとして天井まで伸びる縦長の作品を四方に配置し、滝に囲まれながらそれらに見下ろされているような鑑賞体験の成立を検証するなど、技法に限らず空間への探究にも意欲的です。自身で展覧会のキュレーションも手がけるなど、絵画との向き合い方を多方面から絶えず模索し続けている姿勢が頼もしく、今後の活躍が楽しみな作家です。
正村公宏は、現在東北芸術工科大学の修士課程2年生で、本展で唯一在学中であり、油画ではなく日本画領域の作家です。日本画と現代美術の分断について、ここで語る必要はありませんが、彼は在学時に日本独特の画壇や公募展の在り方に強い違和感を感じたことをきっかけに、その反動を制作の原動力としています。日本画の技法やエッセンスは活かしつつ、新しい絵画の在り方を目指した意識的な挑戦を続ける姿勢から、来年に控える修了展に大きな期待を寄せざるを得ません。墨と和紙という日本的な素材を使い、身体性と所作、時間の流れをモチーフとした作品は、舞踊等の身体表現との関係性も伺えます。現在は時間の概念をより進化させるべく、写真やサイアノタイプといった新たな要素を取り入れ、日本画の新たな地平を切り拓く挑戦を続けています。
三浦紗和子の奏でる物語は、特定の主題や実在の何かをなぞったり、模倣したりすることなく、自然と生み出された登場人物たちが何かを語り、自由に存在する新しい世界を私たちに提示してくれます。彼女が生み出す新・神話とも言える詩的な私的世界は、まさに彼女だけのものであり、他人が評価したり何かと比べることなどできるものではありません。私たちは彼女が綴るこの世界にいつでもアクセスすることができ、訪れるものを拒むことはないでしょう。
弊廊では今後も本企画をシリーズ化し、新世代作家の紹介をいち早く継続的に行っていくとともに、特定の作家に機会が集中しがちな閉塞感のある状況の打開を目指し、見応えのある展覧会運営を行ってまいります。また、彫刻や工芸といった分野も視野に入れ、ジャンルを横断しながら広く魅力的な作家に触れていただける機会の創出に努めてまいります。

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