2022年秋冬展「アーサー・ラッカムとギフト・ブックの時代」軽井沢絵本の森美術館
- 2022/10/12
- 長野県
- 2022年, アーサー・ラッカム, ギフト・ブックの時代, 秋冬展, 軽井沢絵本の森美術館
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名称:2022年秋冬展「アーサー・ラッカムとギフト・ブックの時代」軽井沢絵本の森美術館
会期:2022年10月14日(金)〜2023年1月9日(月)
開館時間:10月の開館時間は9:30~17:00
11~1月の開館時間は10:00~16:00
※閉館時間は最終入館の30分前。
料金:絵本大人 950円
絵本中高生 600円
絵本小学生 450円
セット大人 1,400円
セット中高生 900円
セット小学生 650円
休館日:10~11月は火曜休館。
12月は火~金休館。
ただし12/28~12/31は開館。
1月は1/2,3,7,8,9のみ開館。
会場:軽井沢絵本の森美術館
住所:〒389-0111長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉182(塩沢)
TEL:0267-48-3340
URL:軽井沢絵本の森美術館
「挿絵本の黄金時代」を築いたアーサー・ラッカム
彼の作品と「ギフト・ブック」の時代を辿る
「ギフト・ブック」とは、19世紀末頃から20世紀初めに出版されていた、豪華な装飾がほどこされた挿絵入りの本です。その主な内容は、グリム童話をはじめとする昔話や、アンデルセン童話などの児童文学となっており、芸術家たちによる美しいイラストともに、物語を楽しむことができました。また、クリスマスプレゼントの贈り物としても喜ばれていました。
こうした「ギフト・ブック」の挿絵画家の代表格が、イギリスの画家アーサー・ラッカムです。ラッカムは『リップ・ヴァン・ウィンクル』(1905年)や『ケンジントン公園のピーター・パン』(1906年)のヒットを皮切りに、一躍人気のイラストレーターとなりました。彼が挿絵をつけた『不思議の国のアリス』(1907年)は、現在でも高い人気を誇ります。また、『グリム童話』(1900年)は、後に豪華増補版が出るほどの売れ行きでした。
彼が描く妖精や動物、騎士やお姫さまといった登場人物は、美しさや力強さの中にどこかあやしさを兼ね備え、子どもたちの想像力や好奇心を誘いました。彼の表現は「魔力」や「魔術師」と例えられることもあり、没後から80年以上経った今も、ヨーロッパ中で個展が開催され、世界中のイラストレーターに影響を与え続けています。
ラッカムの目覚ましい活躍は、当時「ギフト・ブック」が多くの人に望まれていたことを表します。一方、1914年に起こった第一次世界大戦を境に、その出版数は減少していきました。この時期は印刷コストが制限されたことから、ラッカムはシルエット絵を用いた『シンデレラ』(1919年)を生みだしました。また、遺作となったケネス・グレアム作『たのしい川辺』(1936年)は、依頼を受けた当初は契約や多忙の事情で描くことができず、晩年にようやく取りかかれた仕事でもありました。このように、彼の作品から、「ギフト・ブック」の時代の様相を垣間見ることができます。
本展では、アーサー・ラッカムの挿絵の魅力にせまりながら、子どもたちの絵本の歴史を飾った「ギフト・ブック」を振り返ります。このほか、当館の収蔵品の中から貴重な60点以上の「ギフト・ブック」と、ラッカムと同時代に活躍した画家であるロビンソン三兄弟、レズリー・ブルックらの原画も展示いたします。
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