2022年度著名作家招聘事業×テーマ展 「矢部俊一展―空刻」兵庫陶芸美術館

2022年度著名作家招聘事業×テーマ展 「矢部俊一展―空刻」兵庫陶芸美術館

名称:2022年度著名作家招聘事業×テーマ展 「矢部俊一展―空刻」兵庫陶芸美術館
会期:2022年12月10日(土)~2023年2月26日(日)
休館日:月曜日、2022年12月31日(土)、2023年1月1日(日・祝)
   ※ただし、1月2日(月)、1月3日(火)、1月9日(月・祝)は開館し、1月4日(水)、1月10日(火)は休館
開館時間:10:00~18:00※入館は閉館の30分前まで
会場:兵庫陶芸美術館 展示室1
料金:同時開催の特別展「教えて!兵庫陶芸美術館」の料金に含む。
   特別展「教えて!兵庫陶芸美術館」の料金
   一般600円(500円)、大学生500円(400円)、高校生以下無料
   ※( )内は20名以上の団体割引料金 ※70歳以上の方は半額
   ※障害のある方は75%割引、その介助者1名は無料
   ※17時以降に観覧される場合には、夜間割引料金になります。(一般300円、大学生250円)
住所:〒669-2135兵庫県篠山市今田町上立杭4
TEL:079-597-3961
URL:兵庫陶芸美術館

《草吹》2015年 兵庫陶芸美術館
《草吹》2015年 兵庫陶芸美術館

 兵庫陶芸美術館では、国内外で活躍する著名な作家を招聘し、若き作り手たちに刺激を与えるとともに、幅広い人々により深く陶芸に親しんでいただくため、2006年より「著名作家招聘事業」を実施しています。第17回となる今回は、ここ丹波とともに日本六古窯の一つに数えられ、土と焼成によるシンプルで原初的なやきもので知られる岡山・備前において、彫刻家として先鋭的な造形を追求する作家・矢部俊一氏(1968- )をお迎えします。
 岡山県備前市に生まれた矢部氏は、彫刻家を志し、名古屋芸術大学彫刻科に学びますが、1993年に帰郷して陶芸の道に入り、祖父・山本陶秀氏(1906-1994)、父・矢部篤郎氏(1941-2017)の指導を受けました。試行錯誤の末、備前の土と焼成による原初的で力強い造形を自身のルーツと捉え、そこに現代彫刻の技法と独自の造形思考を持ち込むことによって、これまでの備前にはない、鋭く緊張感のあるフォルムを追求していきました。「空刻(くうこく)」と名づけられたこれらの作品は、手捻りで成形後、暗闇の中で逆光によって浮かび上がる稜線や土肌を見極めながら、極限までシンプルにフォルムを削ぎ落として制作しています。そこに、褐色に焼き締まった備前の山土のざらりとした質感や、炎の流れによる微妙な色のグラデーションが加わることで、現代彫刻としても、備前焼としても、孤高の存在感を示すものとなっています。
 2015年の滋賀県立陶芸の森(信楽)での滞在制作を経て、備前の土のポテンシャルを再認識した矢部氏は、金、銀、パラジウムなどの金属を肌面に極薄く塗り、その下からほんのりと匂い立つ土の質感を強調することで、「無釉焼締」を信条とする備前に揺さぶりをかけ、新境地を拓いています。本展では、矢部氏の造形の変遷をゆるやかに辿るとともに、いま一度、「備前焼とは何か」を、そして、伝統を持つやきものの真価や可能性を問う機会とします。

《閃光風》2015年
《閃光風》2015年
《想景》2017年 個人蔵
《想景》2017年 個人蔵
《月山》2018年
《月山》2018年
《岳雲》2021年
《岳雲》2021年
《葉風》2022年
《葉風》2022年
《Ambient_01》(部分)2022年
《Ambient_01》(部分)2022年
《UNTITLED》(部分)2022年
《UNTITLED》(部分)2022年

作家プロフィール
矢部俊一
Yabe Shunichi
1968 岡山県備前市に生まれる
1992 名古屋芸術大学彫刻科卒業
1993 帰郷し、陶芸の道に入る
   祖父・山本陶秀、父・矢部篤郎の指導を受ける
2008 第51回日本伝統工芸中国支部展テレビせとうち賞
2010 第53回日本伝統工芸中国支部展広島県知事賞
    第25回国民文化祭美術展備前市長賞
2015 滋賀県立陶芸の森アーティスト・イン・レジデンス ゲスト・アーティスト
2016 備前×矢部俊一×信楽(滋賀県立陶芸の森 陶芸館ギャラリー)
2019-2020 The 備前-土と炎から生まれる造形美-(東京国立近代美術館工芸館ほか)

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る