「Expression vol.2」長亭GALLERY

「Expression vol.2」長亭GALLERY

名称:「Expression vol.2」長亭GALLERY
会期:2023年1月14日(土)~2023年1月29日(日)
開館時間:13:00 〜 19:00
休館日:月曜日、火曜日
入場料:無料
会場:長亭GALLERY
住所:〒103-0005 東京都中央区日本橋久松町4-12 コスギビル 4F
TEL:080-4599-2314
URL:長亭GALLERY

前回を引き続き、長亭GALLERYでは1月14日から1月29日の会期にて、若手アーティストによるグループ展「expression Vol.2」を開催致します。
​展覧会タイトルとした「expression」は「ex-(外に)」「-press(押し出す)」「-ion(もの、こと)」の3つの品詞から構成される英単語であり、その語義に添うならば、「何かに内在するものを外に出すこと」といったアクションが連想されます。日本語では「表現」と訳される本展示タイトルを「decoration」でも「articulation」でもなく、何かしら内側からのプレッシングを指示する「expression」とした意図は、一重には参加するアーティストの作品と彼ら彼女らのキャリアに見られる特徴にあります。
​展覧会に登場するアーティストは、その考えるところや制作姿勢、スタイル、使用する技材、関心を持っている対象、また積み重ねてきた経験や現在置かれている境遇はバラバラですが、しかし現代という一つの同じ時代を共有し、かつアーティストとしてのキャリアが比較的早期に位置している点において共通性が見出されます。その若手という時期を、アートという一つのエコロジーにおいて完全には社会化されていない時期、あるいはつくり手にとって最も純粋な時期の一つと解釈するならば、そこにおいて生み出される作品は時代や社会、また彼ら彼女らが身を置いているアートというレギュレーションの要請に基づいてではなく、作家当人らが内に抱え、かつ当人らの内にしか存在し得ない、一つの固有な純真さ、あるいは誤解を恐れずにいうならば、一つの強情さを奥底に持ってこそなし得るものと感じます。
​自分の身のまわりで起きたこと、あるいは自分自身が抱えるコンプレックスやトラウマ、もしくは自分を感動させた風景や出来事、自分の持っている哲学、美術に対する意識や視座、社会で起きる理不尽な事象に対する気持ちなどについて、アーティストは徹底して自分が感じ取った温度を保ちながら作品化します。反対に言えば、それはどう上手く図示するかではありません。そしてだからこそ、つまりアーティストの感覚、哲学、思想が高度に翻訳されたものであるからこそ、作品は一見して読み解き難く、すぐには全てを明かさず、一種の頑固さを感じさせます。とはいえ、その違和感やおかしみ、奇妙さを与える点が、まさにここに参加するアーティストがアーティストたる由縁のようにも思えます。ドイツの劇作家フリードリ・シラーは「青春の夢に忠実であれ」と語りましたが、彼ら彼女らもまた自分の感じたこと、考えることに従順であり、それを誰に命じられたでもなく、また誰かの要望に沿うわけでもなく、本人らの内から立ち上ってきたときの純度を保ちながら表現として、一つの作品として、自分たちの時代に提示しています。その固有の結晶であり言語を、ぜひ会場でご高覧頂ければと思います。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る