名称:「第3期コレクション展」宮崎県立美術館
会期:2023年1月17日(火)〜2023年4月4日(火)
会場:宮崎県立美術館
時間:10:00〜18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日:月曜日
休日の翌日(土・日曜日、休日を除く)
※臨時に開・休館することがあります
観覧料:無料
住所:〒880-0031宮崎県宮崎市船塚3-210 県総合文化公園内
TEL:0985-20-3792
URL:宮崎県立美術館
名品セレクション -シュルレアリスムの版画
宮崎県立美術館は、現在約4,200点の作品を収蔵しています。それらの作品は、1.郷土出身の作家及び本県にゆかりのある作品、2.わが国の美術の流れを展望するにふさわしい作家の作品、3.海外のすぐれた作品という3つの収集方針に基づいて収集されています。
ここでは、同館のコレクションを代表する名品と、昨年度新収蔵となった『1947年国際シュルレアリスム展』のカタログに収録された版画作品を紹介します。
名品セレクションでは、描かれた人物のまなざしに注目して展示します。麻生三郎の「母子」では、寄り添いながらも、その目線は互いではなく外側へと向けられています。ピエール・ボナールの「葡萄を持つ女」は、逆光に立つ画家の妻マルトのまなざしが印象的な作品です。さまざまな画家たちの表現をご覧ください。
宮崎の美術 -春のはなやぎ
明治時代、日本の絵画は急激な社会の変化の中で転換期をむかえます。西洋の表現も取り入れられ、新しい「日本画」を求めた模索が始まりました。この時代に活躍した本県出身の日本画家として、伝統的な狩野派の流れを汲む山水画で力を発揮した山内多門がまず挙げられます。また、同時代に秀麗な美人画で認められていたのが益田玉城です。
一方、本県出身の洋画家では、太い輪郭線と鮮やかな色彩で独自の画風を追求した塩月桃甫が、大正5年に文展(文部省美術展覧会)に入選しています。また、力強い筆づかいで生命力あふれる女性像を描いた山田新一などが中央画壇で活躍しました。
今回は、宮崎県を代表するこれらの作家の作品を紹介するとともに、「春のはなやぎ」をテーマとしたコーナー展示も行います。本県出身の作家やゆかりの作家による作品の魅力をお楽しみください。
詩と彫刻
戦後のイタリア具象彫刻を代表するチェッコ・ボナノッテ(1942-)は、現代の人間がもつ精神の在り方を主題に、蝋型鋳造の技法で制作しています。
ここで紹介する「連続」には、イタリアの詩人ジャコモ・レオパルディ(1798-1837)の詩句や三島由紀夫(1925-1970)の作品「翼」から引用した文章が刻まれた作品もあります。登場人物の熱望や夢、葛藤など様々な心の動きをイメージしており、顔や手など人体の一部が浅く浮き出し、かすかに表現されています。また、同じテーマで制作された素描は、躍動感のある表現によってレリーフとは違った魅力を生み出しています。
繊細な造形のなかに、深い精神性の込められたボナノッテの世界をご堪能ください。
瑛九の白と灰と黒
瑛九は、油彩やフォト・デッサン、版画などにおいて、独自の表現を求めて実験的な制作を繰り返しました。
ここでは、白から黒への濃淡によるモノトーンの表現に着目して作品を紹介しています。
フォト・デッサンでは、光の当て方や型紙の配置を工夫することで、明るさの度合いに変化をつけ、描かれた形を際立たせました。銅版画は、黒インク以外を使用せず、線の粗密によって濃淡を表現しています。カラフルな作品が多いリトグラフですが、瑛九は墨刷りという単色版のシンプルな作品も制作しています。油彩は色彩豊かな表現が多いものの、抑えた色調の作品も描いています。
白と灰と黒の濃淡で表現された作品は、形や画面構成をより明確に伝えています。
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