吉川博也作品展「艶・縁・宴」銀座 蔦屋書店

吉川博也作品展「艶・縁・宴」銀座 蔦屋書店

名称:吉川博也作品展「艶・縁・宴」銀座 蔦屋書店
会期:2023年2月4日(土)~2月24日(金)
   ※最終日は17:00閉場。
   ※営業時間は店舗ウェブサイトをご確認ください。
   ※会期は変更になる場合もございます。
会場:銀座 蔦屋書店インフォメーションカウンター前
料金:無料
主催:銀座 蔦屋書店
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
TEL:03-3575ー7755
URL:銀座 蔦屋書店

《TORA ONNA》600×600 mm 酸性染料 シルク 2022
《TORA ONNA》600×600 mm 酸性染料 シルク 2022

 安土桃山の昔から女性を美しく彩ってきた、日本を代表する伝統工芸のひとつ、京友禅。吉川博也は、創業140年の染匠(せんしょう)として、高度な技術をもった職人とともに、数々の着物を生み出してきました。
 今回の展示で吉川は、伝統技法をそのまま用いて、着物ではなくアート作品として、女性の「美」「艶」を表現することに挑戦しました。
曲線と吉祥文様が特徴の友禅模様。彼は、その伝統と女性のうちに、曲線の美しさという共通点を見出します。女性が身にまとう着物においては、女性そのものが描かれることはありませんが、この試みによって吉川は、女性そのものと文様を混然と描き、艶やかで美しい世界を表現しています。
 友禅は、絵柄を生地に染め込んでいきます。線を引き、色を挿し、蒸して、水で流す。この工程を何度も繰り返し、正絹に染め重ねたことで生まれる色層の厚み、その醸し出す世界はとても透明でありながら重厚です。
今回のアート作品も、これらの工程を経て、20数名の京友禅の職人たちの卓越した技術が作品として昇華されています。
 引き継がれてきた伝統から生まれる、新たな表現。吉川博也の描く、艶やかな世界をご堪能ください。

《TSURU HIGH HEELS》600×600 mm 酸性染料 シルク 2022
《TSURU HIGH HEELS》600×600 mm 酸性染料 シルク 2022

京友禅について
 京友禅の歴史は、元禄時代(1688~1704年)から始まります。京都知恩院前に住んだ扇絵師宮崎友禅斎に由来し、絵画的で自由な曲線や色を染め出す技法を生みました。
 当時、幕府から奢侈禁止令(しゃしきんしれい)という庶民の贅沢を制限する禁令が出されており、着物では金銀の刺繍や絞り染めの「総鹿の子」などの贅沢な素材や製法をもちいた着物は禁止されていました。そのため、色数が多く絵画調の模様を着物に染める友禅染は、それらに代わるおしゃれとして、町人文化の栄えた江戸時代の中期に盛んに行われるようになりました。
染匠について
 手描き友禅は、意匠考案・下絵・糊置き・引染・挿友禅など少なくとも約10~15工程に分業化され、多くの職人の手で制作されます。染匠はその創作の起点となり、着物づくりの全工程を取り仕切り、統括するプロデューサーです。

吉川博也
 1967年 京都に生まれ。1986年に18歳で家業の染匠を継承すべく同業他社へ入社。10年間の修行を経てのれん分けを許され、創業140年の家業である吉川染匠の四代目として現在に至る。
 京都に生まれ育ち養われた感性と、京都の職人と共に京都で作りあげられたものこそ京友禅と考え、糸目友禅染を主体に絞り染、引染めぼかしを一枚の着物の中に渾然と溶け込ませ、本格的で安心感のある現代空間にマッチしたきもの創りを目指す。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「動き出す浮世絵展 TOKYO」寺田倉庫G1
  2. 特別展「答志島~古代から続く海民たちの島」鳥羽市立海の博物館
  3. 「うつす美 ─ 江戸時代の絵画学習」京都府京都文化博物館
ページ上部へ戻る