「サロン展 写真のノスタルジア / 特別陳列 関東大震災のイメージ」渋谷区立松濤美術館

「サロン展 写真のノスタルジア / 特別陳列 関東大震災のイメージ」渋谷区立松濤美術館

名称:「サロン展 写真のノスタルジア / 特別陳列 関東大震災のイメージ」渋谷区立松濤美術館
会期:2023年3月22日(水)~2023年3月28日(火)
入館料:無料
休館日:3月27日(月)
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
住所:〒150-0046東京都渋谷区松濤2-14-14
TEL:03-3465-9421
URL:渋谷区立松濤美術館

福原信三「作品名不詳〔三津海岸風景〕」1926年 渋谷区立松濤美術館蔵
福原信三「作品名不詳〔三津海岸風景〕」1926年 渋谷区立松濤美術館蔵

写真のノスタルジア
過去の出来事を懐かしむ気持ち――ノスタルジア。一定の時間を切り取り、物質のうちに留めおこうとする写真に、人はしばしば、この感情を抱いてきました。
ノスタルジアは、1921年に福原信三たちが結成した「写真芸術社」にとって、とても厄介な問題でした。彼らは写真を独自の芸術たらしめるべく、「光と其諧調」による新しい表現を打ち立てますが、その過程で、ありふれた写真にも備わりうる過去への郷愁は、切り離すべき古い美学として退けなければならなかったのです。
一方で「写真芸術社」の作家たちは、過去の気配がのこる都会の路地裏や自然の中をそぞろ歩き、そのかけらを見つけては、フィルムの内に記録し、持ち帰りました。江戸の情緒が急速に失われゆく近代都市・東京に暮らした彼らが、たまらなく惹きつけられていたのも、ノスタルジアだったのです。
当館のコレクションで構成される今回のサロン展では、「写真芸術社」と、その後継である「日本写真会」に集った作家たち(福原信三、大田黒元雄、掛札功、石田喜一郎)の作品、および刊行していた雑誌、『写真芸術』などの資料をご紹介します。
写真の根源たる光の美学を突き詰めつつ、自らのノスタルジアとのはざまで葛藤した彼らの作品群から、改めて一枚の写真の奥深さをご堪能下さい。
関東大震災のイメージ
2023年は、関東大震災の発生から100年を数えます。江戸情緒の残る東京の市街地が、近代都市へと一気に変貌する契機となったこの震災は、当時の政治・社会・文化に多大なる影響を与えました。今回、当館コレクションの中から、南薫造が関東大震災下の東京を描いた絵画や、同時代に制作された写真作品等を、特別出品いたします。絵画と写真が描き出すリアリティの違いにも着目しつつ、100年前に東京を見舞った未曽有の大地震に、思いを馳せていただければ幸いです。

大田黒元雄「作品名不詳〔漁〕」手製作品集(無題)より 1921年頃  渋谷区立松濤美術館蔵
大田黒元雄「作品名不詳〔漁〕」手製作品集(無題)より 1921年頃  渋谷区立松濤美術館蔵
南薫造《大震災東京スケッチ 駿河台》1923年  渋谷区立松濤美術館蔵
南薫造《大震災東京スケッチ 駿河台》1923年  渋谷区立松濤美術館蔵
石田喜一郎《夏座敷/Summer Rooms》1925年頃 渋谷区立松濤美術館蔵
石田喜一郎《夏座敷/Summer Rooms》1925年頃 渋谷区立松濤美術館蔵

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