名称:「劉建華(リュウ・ジェンホァ)中空を注ぐ」十和田市現代美術館
会期:2023年6月24日(土)~2023年11月19日(日)
会場:十和田市現代美術館
時間:9:00~17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日:月曜日 祝日の場合はその翌日
観覧料:一般 1,800円(常設展含む)
高校生以下 無料
住所:〒034-0082青森県十和田市西二番町10-9
TEL:0176-20-1127
URL:十和田市現代美術館
磁器発祥の地である景徳鎮で育った劉は、磁器工房での職人時代を経て彫刻を学びました。中国における経済や社会の変化や、それに伴う問題をテーマに、土や石、ガラス、陶磁器などを使って立体作品やインスタレーションを制作しています。
本展ではメインとなる展示室に、ペットボトルや靴などの日用品を磁器で制作した《遺棄》(2001年-2015年)を展示します。私たちが使う日用品の大半は一時の役目を果たすと放置され、壊れてゴミになります。この作品は、私たちが土に還らない素材に囲まれて生活していることや、処分できないものを蓄積し続けている現状を想像させます。
その他にも、瓶や壺の口と首の部分だけを切り取った最新作《塔器》(2021年-2022 年)や、十和田市現代美術館の常設作品《痕跡》(2010年)の造形ともつながる浮遊する枕《儚い日常》(2001-2003年)、壁につたう墨汁や陶器の仕上げに使う流動的な釉薬を思わせる《兆候》(2011年)など、劉の初期から近年までの作品を紹介します。
展覧会のタイトル「中空を注ぐ」は、中が空洞の陶磁器の形や流動的な釉薬を連想させますが、意味も内容もない「無意味さ」を作品に込めた劉の制作への姿勢を示しています。そして、空虚な「もの」や「こと」が広がっていく現代のありさまともつながっています。繊細で脆い陶磁器が、空虚さに満ちた現代を語っていきます。
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