近藤南 「latency」blues dress

近藤南 左:《dromen #21》2023年、陶、100×180×130mm、右: 《dromen (一輪挿し)》2023年、陶、120×110×80mm

名称:近藤南 「latency」blues dress
会期:2023年8月17日(木)~2023年9月11日(月)
会場:blues dress
開館時間:13:00 〜 18:00
休館日:会期中無休
入場料:無料
住所:〒150-0041 東京都渋谷区神南1-13-15 S-Glanz SHIBUYA 1F
電話:03-3461-7655
URL:blues dress

近藤南 会場風景(bluesdress渋谷)
近藤南 会場風景(bluesdress渋谷)

bluesdress渋谷にて、現代的な陶芸作品を制作する近藤南の個展「latency」が開催されている。
会場の入り口付近の壁から見ていこう。壁に設置された棚を、たっぷりとした白い布が覆い、その上に陶や石膏、そして金箔などを用いて形作られた、小さなオブジェが置かれている。近藤が見た夢に登場するモチーフであることが明かされているそれらは、バスタブ、鳩、卵、歯などのミニチュアだ、と言いたくなるが、何かが違う。
鳩の作品の場合、尾の付近は結われた紙になっている。こうした鳩が二羽並び《おさげの鳩(petit)》が完成されているのだ。小ぶりながらずっしりと重さを感じさせ魅力的だ。
他にも《口中崩壊(petit)》では、金箔が貼られた小さな歯が5つ散らされている。歯が抜ける夢を思わせるこのモチーフは、意外にも美しい。歯に見えるが、長く見ていると歯に限らず洗濯バサミやキャラ化されたウサギにも思えてくる。
近藤の作品は、夢という、ともすると不気味で直視し難いイメージが氾濫する世界から着想を得ていながら、愛着を持たせ深い鑑賞を誘い込む。
選択されたモチーフのタイプやその形態はもちろんのこと、他にも上の小さなオブジェが乗る「たっぷりとした白い布」も重要だ。布はオブジェの数倍の大きさをもっており、作品鑑賞時、われわれの視界を優しく占拠している。
会場であるモッズ・ファッションブランドbluesdress渋谷に置かれた洋服用棚には、セラミック作品「dromen」シリーズが計5点出品されている。先ほどの白い布と同じく、本シリーズの作品は白い。さらに、セラミックであるため、釉薬の光沢がとても美しく輝いている。
ここでは円形に近い面が、棚や木の角に優しく接して、撓んでいる。「dromen」シリーズの素材は、焼きしめられた硬い粘土であるにもかかわらず、柔らかさが見事に表現されているのだ。
陶を中心に、多様な素材を使って制作された作品が並ぶ本展を是非ご覧いただきたい。

近藤南 左:《dromen #21》2023年、陶、100×180×130mm、右: 《dromen (一輪挿し)》2023年、陶、120×110×80mm
近藤南 左:《dromen #21》2023年、陶、100×180×130mm、右: 《dromen (一輪挿し)》2023年、陶、120×110×80mm

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