テーマ展「売茶翁の生涯―風のように生きる―」佐賀県立美術館

「売茶翁遺品」富岡鉄斎筆、19世紀、1冊、本館蔵

名称:テーマ展「売茶翁の生涯―風のように生きる―」佐賀県立美術館
会期:2023年11月28日(火曜日)~2024年1月18日(木曜日)
会場:佐賀県立美術館2号展示室
開館時間:9時30分~18時
休館日:毎週月曜日(※祝日の場合は翌日)
   12月29日~31日、1月1日は休館
主催:佐賀県立美術館、NPO法人高遊外売茶翁顕彰会
観覧料:無料
住所:〒840-0041佐賀県佐賀市城内1-15-23
TEL:0952-24-3947
URL:佐賀県立美術館

『売茶翁偈語』木村孔陽編、(部分)1928年(昭和3年)花月庵蔵第2版、1冊、NPO法人高遊外売茶翁顕彰会蔵
『売茶翁偈語』木村孔陽編、(部分)1928年(昭和3年)花月庵蔵第2版、1冊、NPO法人高遊外売茶翁顕彰会蔵

 売茶翁(ばいさおう)は、延宝3年(1675年)、肥前蓮池(現 佐賀市蓮池町)に生まれ、龍津寺の開祖である 黄檗僧 化霖道龍(けりんどうりゅう)の元で出家し、僧名を月海元昭(げっかいげんしょう)と名乗りました。黄檗僧として各地で修行を積み、龍津寺の寺務を掌っていましたが、化霖没後、享保9年(1724年)頃に同 寺を出て、やがて京都へ身を移しました。
 僧でありながら無自覚に布施を受けることに疑問を持ち、茶店「通仙亭」を開いて、京都の名勝地などで「茶代のあるなしを問わず、のどかに世の中の物語など」(『落栗物語』)の話をしながら、自ら煎茶を売って生計を立てました。その姿が評判を呼び、次第に「売茶翁」の名で広く知られるようになっていきました。寛保2年(1742年、67歳)に還俗した後も、宝暦13年(1763年、89歳)の生涯を終えるまで、煎茶売りを生業とし、画家 伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう)や池大雅(いけの・たいが)など様々な文人墨客と交流を持ちました。
 市井に身を置きながらも 世俗に染まる事なく、禅僧としての型にとらわれなかった売茶翁の生き方は、同時代や後世の人々に影響を与え、尊敬を集めました。
 本展では、佐賀県立博物館所蔵の売茶翁関係資料等とともに、NPO法人 高遊外売茶翁顕彰会収蔵の初公開となる資料も展示します。売茶翁自筆の墨蹟や著作をはじめ、再現された煎茶道具、売茶翁肖像などを通して売茶翁の生涯をたどり、その人となりを紹介します。
 売茶翁が「通仙亭」で掲げた旗の「清風」の字のように、清らかな風の如く自然のままに生きた売茶翁の人物像を感じていただければ幸いです。

「売茶翁遺品」富岡鉄斎筆、19世紀、1冊、本館蔵
「売茶翁遺品」富岡鉄斎筆、19世紀、1冊、本館蔵
「東山水上行」売茶翁筆、 1763 年(宝暦 13 年)か、1 幅、 NPO 法人高遊外売茶翁顕彰会(旧寺﨑正氏コレクション)
「東山水上行」売茶翁筆、 1763 年(宝暦 13 年)か、1 幅、 NPO 法人高遊外売茶翁顕彰会(旧寺﨑正氏コレクション)
爐龕「 僊窠」 模造品 、 19世紀か、 1 基、個人蔵
爐龕「 僊窠」 模造品 、 19世紀か、 1 基、個人蔵
「聖護林偶成」 売茶翁筆、 1755 年(宝暦5年)、1 幅、本館蔵
「聖護林偶成」 売茶翁筆、 1755 年(宝暦5年)、1 幅、本館蔵

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る