名称:硝子体「虚像」Moon Gallery & Studio
会期:2024年2月28日(水)〜2024年3月3日(日)
会場:Moon Gallery & Studio
開館時間:13:00 〜 19:00
休館日:月曜日、火曜日
入場料:無料
住所:〒110-0014 東京都台東区北上野2-3-13 上野ダイカンプラザ 1F
URL:Moon Gallery & Studio
本展では、アーティストの硝子体によるライフドローイングの水彩画と油彩画の個展を開催しています。
硝子体の家系は北方出身で、軍隊と共に南下し、その後中国の江蘇省鎮江市に定住しました。硝子体も鎮江市で生まれました。戦争という歴史的な要因から、硝子体の本当の故郷はもはや存在しません。硝子体にとって、ルーツを象徴する故郷は想像上の存在です。そのため、硝子体は長年の絵画制作の過程で、朽ち果てたり静かに消え去ることに強い執着を持っています。蓮池のように、冬の枯れた中から夏の豊かな新生が生まれます。このサイクルの中で、死は常に新しい命を生み出し、それが時間とともに再び死へとつながっていくのです。
本展のテーマは「虚像」です。虚像とは、実際の光の収束によって生み出されるものではなく、光のスクリーンに映し出されるだけで、見ることはできても受け取ることはできない「イメージ」のことを指します。屋外でのスケッチに慣れ親しんでいる硝子体は、目の前の光景を直接客観的に描写するよりも、その場に居合わせた時の五感の感覚を無意識の筆致で表現することを好みます。絵画を通して、彼女は自分の魂の居場所を探っています。その居場所とは、手の届かない故郷かもしれませんし、その時感じている今かもしれませんし、未来のファンタジーかもしれません。ある意味、これらはすべて「虚像」であり、身近でありながら、真に触れることのできない不思議な存在なのです。
本展の作品には、枯れた蓮やしおれた花が多く見られます。硝子体は、朽ち果てた生命の光景を深くとらえ、深い孤独と痛みを表現しています。彼女は絵画を通して、命の儚さや無常さ、そしてこの静かな終焉に直面した時の無力さと冷静さを伝えています。これらの美しい絵画を楽しむと同時に、死や痛み、そして人生の意味について考えていただければ幸いです。
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