名称:秦雅則 大鹿歌舞伎写真展「三百年乱反射、再演奉ル」ろくべん館
会期:2024年3月2日(土)〜3月30日(土)
会場:ろくべん館
開催時間:9:30~16:30
休館日:火曜日
料金:無料
住所:下伊那郡大鹿村大河原1000-14
TEL:0265-39-2244
URL:ろくべん館
NAGANO ORGANIC AIRの滞在アーティストとして、写真家の秦雅則が、2023年6月から長野県大鹿村での滞在を重ねています。
滞在にあたって秦が着目したのが、大鹿村で300余年に渡って受け継がれてきた地芝居「大鹿歌舞伎」。地域住民の中から公募したカメラマン、モデル、編集と一緒に、大鹿歌舞伎の稽古や公演、時には特別な演出を試みて撮影をし一冊の写真集にまとめていきます。
今回の展示では、これまでの写真集作りの成果として、大鹿村民俗資料館を舞台にインスタレーション展示をします。使い古されたコンパクトカメラと、昔懐かしいフィルムを使って撮られた写真は、精緻な記録写真とは一味違う、どこか不思議でユーモラスな味わいに満ちています。大鹿歌舞伎の写真における再演を、是非ご覧ください。
今回のプロジェクトについて
2004年より写真家として活動してきた秦雅則は、 2021 年に 「私達写真プロジェクト」 を立ち上げました。そのプロジェクトの一環として、 NAGANO ORGANIC AIR を通して2023年から大鹿村で大鹿歌舞伎の写真集作りを進めています。私達写真プロジェクトとは「私」 という個人性が切り開いてきた近・現代の価値を否定するものではなく、 一人一人の「私」 が望んだ結果としての歴史に対するカウンター(対抗)です。 写真を含む映像表現は「私」の問題や葛藤を社会の構造の中に埋もれさせずに、生きることの美しさを表していくことに大きく貢献してきました。写真史には私写真という分野がありますが、スマートフォンの普及やSNSの登場により、私が私のことを映像を通して表すことは今では日常と化していると言えるでしょう。 その大きな歴史の流れによって得られたものはとても素晴らしいものです。しかし、その流れによって失われていこうとしているものもあるのではないかと考えています。 私達写真プロジェクトではその失われようとしている 「私達」の営みに着目し制作していくプロジェクトです。 大鹿村での制作では、作家である秦の視線と、家族、仲間、観客など様々な視点を混在させることによって私達の営みを複眼的に表していこうとしています。 大鹿村で親から子へ子から孫へと引き継がれてきた歌舞伎の伝統を、今後も土地に根付いている人々の手で作りあげられるように、プロジェクトに参加してくれている皆さんと一緒に考え制作しています。
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