名称:「萬鉄五郎と土沢《南画の系譜》」萬鉄五郎記念美術館
会期:2024年4月28日(日)〜2024年6月30日(日)
会場:萬鉄五郎記念美術館
開館時間:8:30 〜 17:00
休館日:月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
入場料:一般 500円、大学生・高校生 300円、中学生・小学生 200円
住所:〒028-0114岩手県花巻市東和町土沢5区135
TEL:0198-42-4402
URL:萬鉄五郎記念美術館
萬鉄五郎(1885~1927)は、後期印象派やフォーヴィスムの新思潮をいち早く取り入れ、明治末から大正期を通じて前衛絵画の先頭に立ち日本美術界を牽引した画家です。
しかし、彼が少年期に山水画を学び、基礎的な描法を身につけていたことはあまり知られていません。さらに、1919(大正8)年に神奈川県茅ケ崎へ移り住んでからは、南画(文人画)と呼ばれる日本の伝統的な絵画技法とその哲学に自らの絵画表現との一致点を見いだし、独特の筆致の洒脱な作品群を残しています。
あらためて萬の南画の出発点に目を向けると、少年時代に浅井応翠の『山水画譜』を模写したことや、通信教育機関である東京の「速成文学会」で熱心に水墨画の基本描写を学んでいたことがわかっています。さらに、地元絵師の菊池素香(1852~1935)に萬少年が水墨画を習っていたことが伝わっています。
素香は橋本雪蕉(1802~1877)に師事した絵師で、師である雪蕉は、浦上春琴の流れをくむ南画家として花巻や八戸で活躍し、多くの絵師を育てました。なかでも菊池黙堂(1835~1899)は素香にも指導していた兄弟子であり、土沢を含む花巻地域には、雪蕉、黙堂、素香、そして萬へとつながる地方南画の系譜をたどることができます。
本展では、萬鉄五郎が表現者として素養を育んだ故郷の先人南画家から彼へと連なる地方の絵画文化の系譜を辿るとともに、萬が南画と洋画との一致点を見いだし、日本人ならではの独自の表現へと昇華させていった表現性に内在する絵画観に迫ります。
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