「青木敏郎展 ~古典の面影を模索すること50年~」福岡三越

『秋の賀茂川-川面に映る草木』 30号

名称:「青木敏郎展 ~古典の面影を模索すること50年~」福岡三越
会期:2024年5月22日(水) ~ 2024年5月27日(月)[最終日午後5時終了]
場所:福岡三越 4階 岩田屋三越美術画廊
住所:〒810-8544 福岡市中央区天神2-1-1
TEL:092-724-3111
URL: 福岡三越

『小道の木陰』 

8号 
『小道の木陰』 
8号 

ごあいさつ
今年は私にとって特別な吉祥の年となっています。
いわゆる団塊の世代で77歳になります。喜寿の年となってしまいました。
「古典の面影を模索すること50年」と題して新作の発表と小さな回顧展とさせていただきます。
さて、私がなぜこのような画風、つまり陰影の強い写実を好むようになったのかは、一つの大きな出会いがきっかけだったとはっきりと覚えています。
私が二十歳の頃だったか、東京芸大のデッサンの受験を終え帰る途中、芸大の隣の博物館で「ルーブル美術館の名品展」なる小規模な展覧会が開催されており、何となく見て帰ることにしたのです。
今から考えても日本で知られていないような、質のいい作品が見られ特にジョルジュ・ド・ラ・トゥールの名作「大工の聖ヨセフ」に初対面し、あまりの素晴らしさにくぎ付けになってしまいました。
非常に重厚感のある作品で、細密的描写でないものの緻密な表現で絵の具はたっぷりと厚くまろやかな美しいマティエールを呈しており、視覚的と同時に触覚的とも言えるメティエ(仕事の様)の美しさと、油彩という素材美というものが存在することを初めて知った作品です。
後5カ年にわたり渡欧した私は、さらにレンブラントの表現に打ちのめされることとなります。
私が今まで見てきた日本の油彩画は概ね薄っぺらく、カサカサしていました。
そのせいか油彩の本来持っている素材美やメティエの美しさを感じたことがなく、何か大人と小人の差があることを痛感したことを覚えています。本場の本物の油彩を知りたいという要求が沸々と湧いてきたのです。
そして東京造形大に入学し、講師の日本画家 中村正義先生の援助で5カ年のヨーロッパ留学に旅立つことになります。
私の絵画人生がここから始まり、 時の流れに翻弄される現代の美術に背を向けて50年、今日を迎えることと相成りました。
青木敏郎

『ビヤーグラスの椿と染付の小皿』 

6号
『ビヤーグラスの椿と染付の小皿』  6号
『水田に映る白馬』

6号
『水田に映る白馬』 6号
『秋の賀茂川-川面に映る草木』 30号
『秋の賀茂川-川面に映る草木』 30号

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