「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」ワタリウム美術館

「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」ワタリウム美術館

名称:「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」ワタリウム美術館
会期:2024年8月12日(月・振)〜12月8日(日)
会場:ワタリウム美術館、屋外
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月曜日(8月12日(月・振)、9月16日(月・祝)・23日(月・振)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)は開館)
入館料:大人 1,500円、大人ペア 2,600円、学生(25歳以下)・高校生・70歳以上 1,300円、小・中学生 500円
   ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者および介助者(1名まで)は、各1,300円
   ※会期中、本人は何度でも展覧会へ入場できるパスポート制チケット(再入場時、本人であることを証明するものを要提示)
住所:〒150-0001東京都渋谷区神宮前3-7-6
TEL:03-3402-3001
URL:ワタリウム美術館

rode work tokyo_spiral junction
year: 2022
photo: Natsuko Fukushima, Tokyo Art Beat
rode work tokyo_spiral junction year: 2022 photo: Natsuko Fukushima, Tokyo Art Beat

SIDE COREは、公共空間や路上を舞台としたアートプロジェクトを展開するアートチームです。近年その活動がますます大きな注目を集めるなか、本展は、東京では初の大掛かりな個展となります。
例えば、高速道路や線路、地下水路などを特殊な方法で撮影したり、公共空間で見られる街灯やガードレール、道路工事のサインなどを素材としたインスタレーション作品、ネズミの人形がただただ夜の東京を歩くドキュメント映像など、SIDE COREは、都市の独自な公共性や制度に着目し、これに介入/交渉することで作品作りを行なっています。その表現方法は常に広がり、更新され、今まさに現在進行形の見逃せないアーティストです。
また、本展は美術館内部だけではなく周辺環境にも展開し、都市への想像力がアートを通し広がっていく様をご覧いただけます。

誰かが「都会のあるビルの地下では、深夜になると暗渠となった川のせせらぎが聞こえる」と言った。実際にそこに訪れてみると、昼間は街の喧騒に遮られて聞こえないが、夜街が静まると確かにチョロチョロと水が流れるような音がする。実際のところ、これは下水管を流れる排水の音なのかもしれない。ただ真っ黒な地下にジッと佇んでいると、自分の頭の中に自分が入っているような、または寝ているけれど意識だけが起きているような感覚に陥る。すると「これは川の音である」という誰かのストーリーに引き込まれ、見えない地下水脈のとめどない広がりがぼんやりと頭の中に浮かんでくる。

このように地下やトンネル、工事現場や真夜中の道など都市の暗部で時間を過ごすと、自身の内面/ 身体的な感覚から都市の形を感じ取り、地図に規定された都市の姿が歪んで感じられる。すると普段見ている風景の中に抜け穴のような空間/ 状況が可視化されてきて、日常の行動規範から外れた行動/ アクションの衝動が駆り立てられる。ただそれは私たちの自身の想像力だけの賜物ではなく、かつて誰かが見た都市のビジョンを引き継ぎながら、これを継承していく行為であると思う。それはバタフライエフェクトのような反応で、世界のどこかで生まれた小さな遊びが、多様な立場の人々の行動を経由し、結果世界各国の都市システムに組み込まれる現象である。ストリートカルチャーはまさにそうした都市の暗部から生まれる想像力と行動が世界的な共通感覚となる現象で、単一の運動としての固有性を維持しながらも、文学や映画、建築や都市計画、アクティビズムやアートまで予測できない形で多様な現象に浸透してきた。ワタリウム美術館はアートのヒストリーのなかに、そうしたストリートカルチャーの水脈が混在する場所である。

今回の展覧会では、私たちの視点・行動・ストーリーテリングをキーワードに3つのテーマに分類した作品群を展示する。視点のセクションでは、主に路上のマテリアルを用いて、都市のサイクルをモデル化する立体作品の新作シリーズを。行動のセクションでは、都市の状況やサイクルの中に介入した行動/ 表現の映像・写真のドキュメントを。そしてストーリーテリングのセクションでは、2023 年から継続したプロジェクト「under city」、東京の地下空間をスケートボードによって開拓していくプロジェクトの最新版の展示を行います。都市の暗部を開拓し、小さなアクションを積み重ね、都市の風景にノイズをフィードバックしていく。そうした一連の行為は、東京の都市システムに対して個人という小さな単位のビジョンを介入させていくことにあたるが、同時に国境や時代を超えたカルチャー・アクティビズムの連鎖反応に触れ、予想できない誰かと繋がりを作り出す方法であると考えている。
SIDE CORE

patch work my city
year: 2021
photo: Yutaro Tagawa
patch work my city year: 2021 photo: Yutaro Tagawa
dream house
year: 2024
photo: Osamu Nakamura
dream house year: 2024 photo: Osamu Nakamura
rode work ver. under city
year: 2023
photo: Tada(yukai)
rode work ver. under city year: 2023 photo: Tada(yukai)
untitled (wip)
year: 2024
photo: artist
untitled (wip) year: 2024 photo: artist

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