奥田侑史 「家具の映像」キヤノンギャラリー大阪 

奥田侑史 「家具の映像」キヤノンギャラリー大阪 

名称:奥田侑史 「家具の映像」キヤノンギャラリー大阪 
会期:2024年9月3日(火)〜2024年9月7日(土)
会場:キヤノンギャラリー大阪
開館時間:10:00 〜 18:00
休館日:日曜日、月曜日、祝日
入場料:無料
住所:〒530‐8260 大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト1F
TEL:06-7739-2125
URL:キヤノンギャラリー大阪

映像表現は、絵画や写真などと違い、視聴者の時間を多く占有する。
昨今では、更に過激な表現や飽きさせない工夫がなされた劇薬的動画が溢れ、見る側にも、倍速再生や小説の要約など、タイムパフォーマンスという言葉で表現される[行間を読む]という思慮からは程遠い鑑賞スタイルが散見される。
しかし、それは悪ではない。
目には見えない[時間]という概念そのもの。
そして自己だけではなく、他者も[同時間軸]を生きているということ。
それらを視覚化したものが、第一回GRAPHGATEに出品した「Sundial」である。
本展は、そんな目配せすらしない、我々が吐いて捨てる〈過ぎ去っていく時間〉がテーマだ。
床に投影された様々な家庭を中心に、窓の外を見るように過ぎゆく刹那的風景が配置されているが、これらはいずれ朽ち、記憶も曖昧になり、消えてなくなる。
「Sundial」は、岸政彦氏の著書「断片なものの社会学」を読んで言語化されたと言っても過言ではない。
岸氏は、統計学などで数値化されていない、分析できない、矢面に上がらない、我々の悲喜交々を「日晒しになって忘れ去られているもの」と表現した。
この展示は、そんな過ぎ去る記憶たちをこのギャラリーに一時保存し、私という撮影者を通過した[時間]を、観てくれた皆様に持ち帰っていただくことで、いずれ朽ち果てる記憶たちを少しだけ延命する装置となりえるかも知れません。
〈日晒しになって忘れ去られているもの〉を慈しみ、他者の時間を考えるきっかけになれば、少しだけ世界が優しくなる気がします。
奥田 侑史 (おくだ ゆうじ)
映像作家
1992年 東京都出身。
2014年より映像制作を開始し、企画・監督・撮影・編集などマルチに活動。
2023年 キヤノン GRAPHGATE 優秀賞 受賞
2024年 自身初の作品展示「家具の映像」を開催

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