名称:「増田将大 Shape of time」日本橋三越本店
会期:2024年10月2日(水) ~ 2024年10月14日(月·祝)
会場:本館6階美術 コンテンポラリーギャラリー 最終日午後5時終了
住所:〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1
TEL: 03-3241-3311
URL: 日本橋三越本店
私の制作では、対象となる何気ない風景を撮影し、その画像を プロジェクターで同じ場所に投影。再び同じ視点で撮影すると いうプロセスを複数回くり返し、さらにそれをキャンバスの上に シルクスクリーンで擦り重ねることで、多数の図像と絵の具の 重なり、掠れを孕んだイメージを映し出す。
私は、幼少期に鑑賞した SF やホラー映画での体験を下地に、 現実と虚構を画面に定着させ、時間を視覚化した作品を生みだ してきた。我々の生きている時間は、一瞬一瞬が連続する映画 フィルムのように連なり、形づくっているのではと想起している。 このカメラとプロジェクターを用いたイメージの重なりとズレは、 絶対的な一つの視点など存在せず複数人の観客が存在し、 多くの瞳に多様な写り方をするように、一つのイメージもまた 複数存在していることを示唆している。
昨今、さまざまな技術や表現手法が発展し、人間の価値観も 多様化する中で、時間という概念も大きく変わった。デジタル 上での時間は仮止めすることも、遡ることも、二倍速に調整 することも出来る。しかしながら、それらの発達とともに人間 が認識しにくくなった時間の様相もあるように思う。
今回の展示に際して、群馬県や長野県などの山林で夜な夜な 撮影を行なった。霧がかった山頂付近では、夜が更けていく と周囲を肉眼で捉えるのが困難な暗さであった。湿気が滞留し、 その動きを肌で感じることが出来た。ゆったりと様相を変える 大気や木々の揺らめきは、普段の生活で体感している時間の 経過とは全く異なる性質のものであるように思えた。私はその ときに感じた「時間の形」を作品上に表出できないかと考えた。
増田将大
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