「中山 忠彦展 ― 馥郁たる彩りの女神たち ―」日本橋高島屋S.C.(本館)

「時祷書を持つ」 72.7×60.6cm(20F) 油彩・キャンバス

名称:「中山 忠彦展 ― 馥郁たる彩りの女神たち ―」日本橋高島屋S.C.(本館)
会期:2024年10月23日(水)→28日(月)
会場:本館6階 美術画廊
入場料:無料
住所:〒103-6190東京都中央区日本橋 2-5-1
TEL:03-3246-4310 本館6階 美術画廊(直通電話)
URL:日本橋高島屋S.C.(本館)

 このたび髙島屋では、中山忠彦先生の個展を開催いたします。
 中山先生は本個展開催直前の9月24日、惜しくも89歳で急逝されました。ご生前より計画されていた本展は、新作を含む先生最後の個展となり、遺作展となります。
 1935年福岡県に生まれ、大分県で育った中山先生は、画家を志し18歳で上京、師となる故・伊藤清永と出会い、阿佐ヶ谷洋画研究所、伊藤絵画研究所で研鑽を積み、19歳の若さで日展に初入選されます。その後は日展や白日会展を主な舞台に発表を続け、2009年から5年間日展理事長を務め、また日本藝術院会員、白日会会長の重責を担い、現代洋画壇のみならず日本美術界を牽引する大きな存在でもありました。
 先生28歳の時の、ご自身で「私の外部にある私の内部」と評される良江夫人との運命的な出逢いが、その後の画業に大きな変化をもたらします。それまでの裸婦のモチーフから、フランスのウォルトなどがデザインした19世紀ヨーロッパのアンティークドレスを纏った夫人をモデルに、華麗な女性像の数々を描くようになります。様々な衣装を身に着けることによって変化する女性の内面を表現する作品は高く評価され、先生の画壇での人気を不動のものにしていきます。
 先生の描く写実絵画は写真をなぞる様なリアリズムではなく、壮麗な色彩、計算された構図、卓越した筆致が創りだす造形が三位一体となり、対象をしっかりと凝視することで見えてくる人間の内奥にある美に迫ります。
 本展では、近年の日展、白日会展で発表された代表作の他、新作の油彩画、素描を一堂に展観いたします。衰えぬパッションとテクニックで、次世代のモデルによる新たな中山芸術も展開されてきたところでした。長年蓄積してきた経験と感性が生み出す、気品と風格に満ちた優雅な作品を、ご生前の先生を偲びながらご高覧いただけますと幸いです。
髙島屋美術部

「時祷書を持つ」 72.7×60.6cm(20F) 油彩・キャンバス
「時祷書を持つ」 72.7×60.6cm(20F) 油彩・キャンバス

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