名称:「Kogei Crossroadsー過去、現在、そして未来へー」セイコーハウス銀座ホール
会期:2024年11月28日(木) 〜 2024年12月8日(日)
開館時間:10:30~19:00(最終日は17:00まで)
会場:セイコーハウス銀座 6階 セイコーハウス銀座ホール
住所:〒104-8105 中央区銀座4丁目5-11
TEL:(03)3562-2111(代表)
URL:セイコーハウス銀座ホール
このたび和光では工芸素材を用いながら各々異なる分野で独自の世界観を表現している気鋭の作家・4人による展覧会を開催いたします。
古代メソポタミアが発祥の地とされるガラスの技法パート・ド・ヴェール。その技を用いて、かたちと文様が一体となった柔らかな趣きの“和のパート・ド・ヴェール”「鋳込み硝子(いこみがらす)」の継承と、その新たな発展を目指す石田知史氏。
仏教伝来と共に伝えられたとされ、金箔やプラチナ箔を細長い線状や小片に切って文様をほどこす「截金(きりかね)」。仏教美術として認識された技を工芸分野に取り入れ、器物に優美で荘厳な世界を創作する江里朋子氏。
江戸時代に刀剣の鍔の装飾として考案され、色彩の異なる金属板を重ね合わせて接合し、表面を削っては打ち延ばす工程を繰り返すことで有機的な景色を呈する「杢目金(もくめがね)」を用い、表層の文様と造形との関係性を追求する佐故龍平氏。
千年の時を超えて受け継がれる漆芸の伝統的な技法の蒔絵や螺鈿、平文(ひょうもん)を駆使しながら、漆という素材の持つ生命力、美しさを大切にし、自身の心象風景や生命の循環をテーマに、繊細かつ抒情的に表現する室瀬智彌氏。
メンバーを代表して、ガラス造形作家の石田知史氏にお話を伺いました。
「今回、技法や素材が全く異なる4人が集まりました。創りたい作品が出来るまでの方法も実に様々です。ですが、きっとメンバーの美の基準は同じだと思います。これが工芸の分野の面白い所で、異種格闘技みたいに、全く違った歴史や技術を持ったそれぞれの作品を同じ目線で比べて楽しむ事が出来ます。セイコーハウスホールでの一期一会のこの機会を楽しんでいただければと思います」。
ガラス、截金、金工、漆芸、それぞれの道を進みながら現代の工芸の在り方と真摯に向き合い、時代と共鳴し合う作品表現を試みる4人の作家たち。
「伝統を創る」4つの個性が交差し、互いに高め合い、工芸の未来へと向かう分岐点を予感させる今展をぜひご覧ください。
ギャラリートークのお知らせ
11月30日(土)14時から出品作家によるギャラリートークを予定しております。
◎混雑時には入場を制限させていただく場合がございます。
石田知史 略歴
1972年石田亘、征希の長男として京都市に生まれる
2003年日本伝統工芸展 朝日新聞社賞
2006年第24回京都府文化賞 奨励賞
第53回日本伝統工芸展 日本工芸会総裁賞
2007年京都府美術工芸新鋭選抜展(京都府京都文化博物館)工芸部門 最優秀賞
2008年日本伝統工芸近畿展 鑑査委員(9年、10年、12年)
2011年日本伝統工芸展 鑑査委員
2013年第33回伝統文化ポーラ賞 奨励賞(ポーラ文化財団)
「日本伝統工芸展60回記念 工芸からKOGEIへ」選定出品(東京国立近代美術館工芸館)
2015年「菊池寛実賞 工芸の現在」選定作家として出品(菊池寛実記念 智美術館)
2022年インターナショナル・フェスティバル・オブ・ガラスにてマスタークラスの講師を務める(イギリス・ウルバーハンプトン大学)
Expanding Horizons展出品(イギリス・スターブリッジ)
2023年Collect展出品(イギリス・ロンドン)
紫綬褒章受章
現在(公社)日本工芸会正会員
江里朋子 略歴
1972年京都市に生まれる
1992年京都芸術短期大学美術専攻日本画コース卒業
1994年京都芸術短期大学専攻科日本画コース修了
母である重要無形文化財「截金」保持者 江里佐代子に師事
2011年第58回日本伝統工芸展 工芸会新人賞
2013年第48回西部伝統工芸展 九州朝日放送賞
2019年第27回伝統工芸諸工芸展 日本工芸会賞
第54回西部伝統工芸展 朝日新聞社大賞
2020年京都府文化賞 奨励賞
2021年第55回西部伝統工芸展 日本工芸会西部支部長賞
2022年第56回西部伝統工芸展 日本工芸会西部支部長賞
2024年第58回西部伝統工芸展 福岡市長賞
第71回日本伝統工芸展 工芸会奨励賞
現在(公社)日本工芸会正会員
佐故龍平 略歴
1976年岡山県に生まれる
2002年広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了
2003年第50回日本伝統工芸展 東京都知事賞
2016年第32回佐藤基金淡水翁賞 最優秀賞
2018年「LOEWE Foundation Craft Prize」デザインミュージアム(イギリス・ロンドン)
「Meister der Moderne」(ドイツ・ミュンヘン)
2022年「What Colour is Metal?」ダブリン城(アイルランド・ダブリン)
2023年「KOGEI Next 2023」六本木ヒルズ Hills Café / Space
2024年「TEFAF Maastricht」(オランダ・マーストリヒト)
現在(公社)日本工芸会正会員、岡山県岡山市にて制作
収蔵
大英博物館、ヴィクトリア&アルバート博物館、アッシュモレアン博物館、メトロポリタン美術館、スミソニアン協会国立アジア美術館、岡山県立美術館、広島市立大学、イセ文化財団
室瀬智彌 略歴
1982年東京都に生まれる
2000年国際ロータリー青少年プログラムにて留学(フィンランド)
2006年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業
2008年石川県立輪島漆芸技術研修所専修科卒業
小森邦衞氏に師事
2009年目白漆芸文化財研究所にて漆工制作、文化財修理の仕事に従事
2013年フィンランド・ヘルシンキにて個展開催
2017年第34回日本伝統漆芸展 新人賞
第64回日本伝統工芸展 新人賞
現在(公社)日本工芸会正会員
目白漆芸文化財研究所 代表取締役
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