
名称:金瀚(キム・ハン) 「磁場」BLANKgallery Tokyo
会期:2024年12月6日(金)〜2025年1月6日(月)
会場:BLANKgallery Tokyo
開館時間:12:00 〜 18:00
休館日:日曜日、月曜日
入場料:無料
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-21-1
URL:BLANKgallery Tokyo
BLANKgallery 東京は、金瀚による東京での初個展を開催する。本展では、アーティスト初の全木版画シリーズ、全てを公開し、絵画と木版画の創作を組みあわさせ、より体系的な芸術言語を披露する。自然現象のイメージを通じて自然の力の影響を探求し、アーティストがエーテル世界の美学と哲学的な考えについて掘り下げた作品を展開する。
金の作品は、一見すると図像からのように見えるが、実際には唯心論的なケアから生まれ、科学的な理論の演繹に基づくものではない。アーティストにとって、自然に魅了されることは人文的な思考の重要な一部であり、あるいは人間は本能的に自然に魅了され、自然への好奇心を抱き、時にはロマンチックな推測をするものである。特に、科学技術がまだ発達していなかった古代において、宇宙や自然に関する経験に基づく様々な推測は、長らく社会の発展を促進する重要な要素であった。科学技術が急速に発展している現代においても、アーティストにとってこのようなロマンチックな推測は消えることなく、人間の本能の一部として存在し続けている。それは科学の進歩により検証できず、語り得ない問題としてではなく、より霊性的で神秘学的な形で社会に影響を与えている。例えば、星座や運命論への信仰や、自然の力に関する経験的な語りは、それが確実に定義しずらいものであっても、人間の経験によって存在が確信される物質として、人々を啓発している。これにより、人間の存在は他の生物とは異なるものとなり、世界の密度は生来の想像力によってより豊かで神秘的なものとなるのだ。
このような自然と人文の織り合わせるのケアは作品にも広がっており、具体的に「磁場」というテーマに細やかに表現されている。「磁場」は引力であると同時に斥力でもあり、意識によって変化する。それは完全に科学的に定量化することはできないものの、私たちが確かに感知できる現実の存在なのだ。
展覧会のシリーズ作品「渦」「スターリンク」「曜」「地心」は、日本の歴史や民族文化から意図的に拡張された関心を基にしている。これらの非常に関連性の高い要素は、アーティストの言語と表現形式を通じて、異なる都市の展覧会に持ち込まれた。それによって、現地文化に答えしつつ、ロマンティックな視覚表現を通じて対話が行われている。最終的に、これらの抽出された断片に対する彼の観察と哲学的思索を描き出している。これらの内容は地域性に限るものではなく、最終的にはマクロな視点での探求を反映している。重要なのはアーティストの視点である。例えば、「渦」は台風の形態を象徴している。この自然災害や現象は、境界を変え、空間を形成する破壊力を持っている。しかし、ある意味では完全な「禍」ではなく、人間が台風を見る際には、そこに様々な感情や寓意を与え、「破壊なくして調和なし」という自然哲学の二元性を感じ取るということである。「スターリンク」というシリーズ作品は、アーティストが芸術というメディアを通じ、科学における「エーテル」の存在を顕在化させたいという願望が込められている。具体的には、雪の結晶の六角形構造が現実の雪の形態を呼応させると同時に、かつてのテレビ画面が信号を受信できなかった際に現れるノイズを拡大したようにも見える。それは混沌とした宇宙波の映像であり、また、現代の「スターリン(Starlink)」技術の発展やロマンティックな想像を象徴するもので、まさに宇宙の「ネットワーク」と言えるものだ。金の創作において、これらの様々なヒントには、偶然性の中に共通点があり、それこそが彼を魅了する要素である。
今回の展示で出品された作品では、素材と創作の関係は一方向的ではなく、双方向的である。これもまた、アーティストが「エーテル」に関する内容の探求に加え、創作過程で精神性をより一層取り入れている部分である。スコットランドでの滞在後、アーティストは現地文化への深い体験を通じ、木材という創作素材に対する異なる見解を得ることができた。自然からの贈り物として、木は色、硬さ、匂いなどの多様な性質を持ち、産業や製造業における役割において使用者に異なるフィードバックを与え、様々反応を引き出す。創作者として、これらの「フィードバック」を最終的な結果に導くことは、作品の方向性に大きな影響を与える。木版画における「陰刻」と「陽刻」の動きは、凹凸や削る・残すという過程を通じて最終的な画面を形成する。この点は、展覧会の「磁場」というテーマが表現しようとしていることと同様である。これらは確定的に定義されることはなく、意志に従って隠れたり現れたりする張力であり、常に世界や生活を啓発し、変化させ続けるのである。
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