名称:SHUTLプロデュース 長谷川愛 没入型インスタレーション「PARALLEL TUMMY CLINIC 」SHUTL(シャトル)
会期:2025年02月20日~2025年03月17日
会場:SHUTL
開館時間:13:00-20:00[日時指定予約制(10分おき入場)、最終入場受付19:00]
休館日:火・水曜休廊
観覧料:料金:1,500円[事前予約制・先着順]
2024年12月21日(土)20:00 チケット販売開始
チケット取扱 : peatixにて販売※下記リンクより
《注意》必ずチケットページ記載されている注意事項をご確認お願いします。
前期(2月20日-3月3日):https://paralleltummyclinic0220.peatix.com
後期(3月6日-3月17日):https://paralleltummyclinic0306.peatix.com
※各リンク先に各日のチケットリンクがございます。
住所:〒104-0045 東京都中央区築地4-1-8
URL:SHUTL(シャトル)
SHUTLプロデュース 長谷川愛 没入型インスタレーション「PARALLEL TUMMY CLINIC 」コラボレーター:山田由梨
HUTLでは、2025年2月20日(木)〜3月17日(月)にかけて、初のSHUTLプロデュース作品となります長谷川愛 没入型インスタレーション「PARALLEL TUMMY CLINIC」コラボレーター:山田由梨を開催いたします。
本作は、メタボリズム建築の代表格・黒川紀章設計「中銀カプセルタワービル」(1972年竣工)のカプセルのある空間「SHUTL」を舞台に、今から50年後の未来都市・東京を生きる人々のすがたを想像する没入型のメディア・インスタレーションです。
バイオアートやスペキュラティヴ・デザイン等の手法によって、生物学的課題や科学技術の進歩をモチーフに、現代社会に潜む諸問題を掘り出す作品を発表しているアーティスト、長谷川愛。今作は、彼女がこれまで継続して取り組んでいる“人工子宮(英訳:PARALLEL TUMMY)”を主題に、鑑賞者が1組ずつタイムラインの指示に従って、カプセルを含むSHUTLの空間を移動しながら体験・没入する形式をとります。「人工子宮の活用が一般化された2070年代の東京」を舞台に、鑑賞者自らが東銀座のクリニックで人工子宮の利用を検討するという設定で作品は展開していきます。
この世界観を生み出すにあたり、演劇的なアプローチを担うコラボレーターとして、作家・演出家・俳優・劇団 贅沢貧乏 主宰の山田由梨が作品の構想段階から参画しています。山田は俳優として映画・ドラマ・CMへ出演するほか、小説執筆、ドラマ脚本・監督も手がけるなど多方面で才能を発揮する注目のアーティストです。ジェンダーやフェミニズム、多様なセクシュアリティにまつわる社会問題を扱う作品を多数手がけている山田と、生物学・科学的なアプローチから同様のテーマを見つめる両者のコラボレーションにより、50年前に生まれたカプセルという空間の中で、50年後の未来のありようやリアリティを具体的かつ身体的に想像するという、稀有で特別な鑑賞体験となるでしょう。
【「PARALLEL TUMMY CLINIC」作品あらすじ】
2070年代、東京。この都市では人工子宮[PARALLEL TUMMY]の活用が一般化しており、誰でも望めば、自らのもとにあらたな生命を迎え入れることが可能になっていた。
東銀座の一角にある「PARALLEL TUMMY CLINIC」は、日々そうした人々が相談にやってくることで知られたクリニック。訪問者たちは人工子宮の検討を通じ、この都市における生き方や家族のありかたに対する自らの取捨選択から浮かび上がる、切実な欲求や不安に向き合うことになるーー。
【長谷川愛 ステートメント】
岡本太郎は「なぜ子供を作らないのか」という問いに対し、「安易な創作はしない」と答えました。この言葉には、彼が創作や生命に対して持っていた深い批評的視点が反映されています。また、ハラウェイは著作の中で「子供ではなく類縁を作ろう」と述べ、血縁に基づかない新しい関係性の可能性を提唱しています。今まで様々な生殖技術について作品制作をしてきましたが、相変わらず私にかかった呪いは解けていません。その呪いとは寂しさです。
「人が子供を持つ理由とは何でしょうか?」の問いに私は極論、「寂しさ」と仮説を投じてみます。この寂しさは人間を集団化させ生存に有利に働かせた、故に社会的生物である人間から引き剥がし難い特性かもしれません。おそらく他の集団で生きる生物にとっても。
現状存在する生殖技術の一つ「卵子凍結」は一時的な解決策に過ぎず、最終的には妊娠や出産に耐える健康な女性の身体が必要です。さらに、一般的な代理母出産にはいまだ倫理的な課題が残っています。
こうした状況において、「人工子宮」という技術が本当の解放を女性にもたらす可能性を秘めていると考えます。人工子宮は、妊娠出産の負担を軽減するだけでなく「血縁」という物語を強化する一方で、人工中絶を回避し養子という選択肢を広げる可能性もあります。この技術は、私にとって非常に魅力的な「痛み止めのファンタジー」として映るだけでなく、多くの人々にとって新たな可能性、そして混乱をもたらすのかもしれません。なぜなら年齢、健康、性別といった生殖の限界を取り払うからです。
『PARALLEL TUMMY CLINIC』は人工子宮が一般化した未来の少子高齢化社会を舞台とした没入型インスタレーションです。鑑賞者は「老人」として2075年の社会に身を置き、AIとの対話やLARP(ライブアクションロールプレイング)から生じたシナリオを通じて、「子供を持つこと」とその背景に潜む個人の欲望や社会的規範について体感し、一緒に議論を深めていただけたら幸いです。
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